第3話 peepはここが好き

目を覚ましたら、夜中になっていた。洗濯かごに放り投げたあのトレンチコートの染みをみた。溜め息をついた。「ママから貰ったものなのに…」


あのよる…:からすと話す口実で書いた『抱いて』の文字は、予想通りに暴走族の服のようになっていた…。ふとあいつの顔が浮かぶ。きっと、あいつなら、まぬけやどんくさい。とやゆするにちがいない。


私は電話をかけてみた…。


『もしもし?』ねえ?今どこにいるの?『今仕事が忙しくてね。そんな事より、まだあそこにいるのか?』こくりとうなづいた。


『君はとても物好きだね。今ここにいく神経が僕には理解できないや』そうかしら…そんな時だから、新しいものがみえるのだと思う。『どう?飯はおいしいのか?』うーん

あまり好きになれないかな、でもお店の人が

好い人だから我慢して食べたりしてる。『そうか、そういう時はパスポートをみせつけて。許しをこうむるのさ。外国人なので美味しくないってさ』鼻で笑いながら、「何言ってるんですか…外の人間だから美味しく食べて欲しいって思うんでしょ?」と私は言った。『ああそうなのか…おれなら国の

人間にだけわかればいいとおもうな。リピーターになってくれる客の方が金になるし』

お金だけじゃないのよ。とつっこんだ。


それから他愛ない会話をして、電話をおいた。


電話の相手は幼馴染みだった。あいつは右と言えば東、左といえば西という大袈裟なやつだった。私はこいつのこういうところはあまりすきじゃない。


なぜなら、それはまるで近くにあるものを

遠くに遠ざけるような感覚がするからだ。

私はいつも思ってる。右と東は同じではないし、西と左は同じではない。微妙なさじ加減で物事は人を傷つける道具になるのだと…


…最近の私はこんな感じだ。そして時計をみた。そろそろからすとバーで約束した時間に

なる。私は化粧をすませて家からでていった。




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