風(ほのか)にこの由(よし)を聞きて 1

現夢 早桜


 頭が重かった。

 内側からぎりぎりと締め上がっていくようだ。痛みをやり過ごすように息を吐き出して、ゆっくり目を開く。

 暗い部屋。細い光の筋が数本、縦横に床と壁を走り、埃の細かな粒が、きらきらとたゆとうているのが見える。

 少しでもおさまらないかと額に手をあてて、寝起きプラス頭痛のせいで、さらにぼんやりと考える。

 ――ここ、どこだったろう……?

「……様、」

 ほとほとと、木を――壁だ――叩く音に、え、とも、あ、ともとれぬ声を反射的に返した。すると、ガタッと壁が揺れて、流れこんできた光に刹那、目が眩んだ。

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