第11話 学校に行こう③
そして教室の前。
ドアの前で待っておくようにと言われて、ドアの前で心を落ち着かせて立っていた私は先生の紹介にて教室にと入った。
「はい、先ほど先生に言われました。転校生の名前は小野田美佳と言います。以後よろしくお願いいたします。」
そして、転校生のよく使われているような言葉を並べて挨拶をかわすが、視線は周りを観察していた。
可愛い。
女の子が可愛い。
なんなのあの純粋そうな目は……
私が見てきた女の子なんてけばけばしているような感じだったのに、メイクとか一切していないよね。
すごいなー。
こういうのって、私色に染められる気がしていいよね。
私が前いた学校では女子は薄くでも化粧をしている人は結構いたのだけど、この学校の人を見ると化粧をしている感じが全くなくて、思わず、これがすっぴん美人の宝庫か……
などと心の中で呟いたほどだった。
でも、知っている人がいない環境っていうのは田舎ほどもともとのつながりが強いからグループに入れるかな。
そんな不安も心中で渦巻いていた。
「よーし美佳。あそこの席に座れ」
「はい」
とりあえず、先生の言われた通りに私は自分の席に行って座る。
もちろん表情はいつも通り緊張なんかも出すこともなくて、いつもの笑顔だけど。
だけど、ホームルームで誰一人として喋ったりしないのはなんでっだろうか?
普通転校生が教室に入ったらヒソヒソ話したりするもんだけど。
そんな疑問を最後に持ったままホームルームは終わった。
そしてホームルームが終わった瞬間に静かだった教室が騒ぎ出す。
「わー、ほんと綺麗」
「いいなー、髪長いのいいなー」
そんな声が近くで聞こえる中で少し横で気になる会話が聞こえる。
「それに胸も大きいな」
「うわ、その発言セクハラだから男子」
「いいだろ、お前らってほとんど胸なんてないに等しいやつばっかりなんだかよ」
「ひっど、これでも私はCあるは」
「ギリギリか?」
「そんなのわかんないでしょうが」
そんな会話が聞こえた。
「またやってるよあいつら」
それを近くにいた男子生徒がやれやれといったふうに首をふる。
「はぁ」
そして近くにいた女子生徒もため息をついている。
なんかわけありだろうか?
そんなことを思いながら私は、自分のカッターシャツが汗で若干透けているのを気づいていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます