第285話 たけしくんハイ!
ダイラ:この何とも表し難い24年1月について、君はどう考える?
ビダイくん:昨年、マツモトさんがたけしくんと話しているときに、自分は今までたけしくんのように大きなスキャンダルが無かったと言っていた。
ダイラ:確かに、たけしくんのスキャンダルの質と量にかなう人はそんなにいないかもね。
ビダイくん:人生安穏に過ごしたい気持ちはあるけど、スター性のある人たちには大きな試練がありますよね。
ダイラ:何かにつけて注目を浴びてしまう星の元に生まれたんだろう。
ビダイくん:僕の親戚にたけしくんがいるのですが、やっぱりこのたけしくんもハイでした。
ダイラ:ちょっと無理にたけし繋がりで話しを突っ込んでこなくてもいいよ。
ビダイくん:小学校の頃、スキー場で民宿のせがれだったたけしくんは、大雪が降ると民宿の3階の窓から深雪に飛び込む遊びをしていた。
ダイラ:危険な匂いがする。
ビダイくん:僕は宿題を終えて、三階で遊んでいるたけしくんを探していると、窓の外から声がした。
ダイラ:たけしくんだね。
ビダイくん:おーいと声のする方を見ると、深雪に子供たち3人が首だけ出して埋まっていた。
ダイラ:それは、助けを呼ぶ場面だよね。
ビダイくん:僕もそうするべきと思いましたが、たけしくんが、「楽しいから、おまえも飛び込め」と言うので、まだ小学2年で判断力が弱い僕は深雪に飛び込見る埋まりました。
ダイラ:やばいじゃん!
ビダイくん:大人が気が付かない場所で、たけしくん以外の子どもたちは、ベソをかいていました。しかし、かろうじて右手だけ雪から出ていたたけしくんは何をしていたでしょうか?
ダイラ:そりゃ雪から出たいから、雪を掘るでしょ。
ビダイくん:たけしくんは、雪玉を作って、雪に埋まっている僕らに雪玉を投げて、当てて楽しんでいたのです。
ダイラ:助けを呼ぶとかしないの?
ビダイくん:全くしない。雪玉を当ててケラケラ笑っているだけ。その状態のまま、夕暮れになり、民宿の仕事で手一杯の大人は子どもたちがいないなんて気にせず、夜になりました。
ダイラ:で、どうなった?
ビダイくん:飼っていた犬が、気を利かせいつになく吠えてくれ、その異常な鳴きぶりに気付いたじいちゃんが助けてくれた。
ダイラ:犬に感謝だね。
ビダイくん:せっかく助かったのに、たけしくんは、犬とじいちゃんに悪態をついていたのは今でも忘れられない。
ダイラ:それは、たけしくんハイ!だね。
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