第279話 25年目の珍化
ダイラ: ねえ、作者。ついこの間のように感じるけど、実は長野オリンピックからもう25年経ったんだよね。
作者: そうなんです、時間って本当に経つのが早いよね。あの頃は長野オリンピックやフランスワールドカップで日本は盛り上がってましたよね。
ダイラ: そうそう、懐かしいな。渋谷のスクランブル交差点の大騒ぎが始まったのも、フランスワールドカップからだ。あの頃は作者も美大の学生だったよな?
作者: はい、美大時代が懐かしい。ちょうど1998年は学生でした。
ダイラ: 俺が美大の先生やっているとき、学生たちが色々なアートプロジェクトに挑んでたんだ。覚えてるか?
作者: あの頃、ダイラさんに感化された学生たちは何かと変わったことにチャレンジしいましたね。
ダイラ: その一環として、あの頃お前も野外展で作った作品を実家の駐車場に立てたのが、今も残る「ナゾのオブジェ」なんだよね。
作者: 若気のイタリーでした。
ダイラ: まあ、なかなか奇妙な形をしていたんだよ。君が何か変わったことやってる学生だって、あの頃から感じたよ。
作者: まだ2年生で自分のアトリエがなく、廊下で作ったからあんな細長い形になりました。廊下の型取りのようなものです。でも、その気まぐれ思い付きオブジェが今も残ってるってのは不思議です。
ダイラ: 最初は地域の人たちにも、ちょっと驚かれていたけど、結局は街の一部として受け入れられて、今もそこに残っているんだね。
作者: 不思議な縁です。県内外、全国メディアに取り上げイジられてから、今では長野県で知らない人がいないくらい有名になりました。他県から、わざわざ見に来る人もいました。
ダイラ: そうだな。実は最近、そのオブジェをお前のSNSで見たことがある。変わらず実家の駐車場に立っていて、なんだか感慨深かったよ。
作者: 25年前にタイムスリップしますよね。あの頃生まれた子は25歳。職場や近所で「子どもの頃から見ていました。」という人に度々出会います。
ダイラ: そうだな。時折、学生たちと一緒に作り上げたあの日々を思い出すと、今の俺たちの時代の変遷を感じられるんだ。
作者: 25年経って、ある日突然、オブジェに顔を描くってイメージが閃いたんです。それで、今はあのデザインになっています。
ダイラ: 面白いね。新たなアートとしてのアプローチがあるってことか。それもまた物語に新しい章を加えることになりそうだな。レオナルドダビンチが生涯に渡って描き続けたモナリザに通じるな。
作者: 25年経ってもなお、新しいアイディアが湧き上がるってのは、アートの不思議なところです。長野オリンピックを彩ったアートからの影響が今頃出てきた感じです。
ダイラ: まさにだ!これからも変わり続ける街の中で、そのオブジェがどんな未来を迎えるのか、楽しみだね。進化し続けるオブジェ面白いじゃないか。次の長野オリンピックにも、まだ存在していたら再び話題になりそうだ。
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