第276話 3丁目の夢ラーメン

ダイラ: クワヤマダくん、このラーメン、すごくおいしいね。


クワヤマダくん: そうだね、でもさ、なんだか変な感じがするんだ。これって昨日も食べた気がするんだけど。


ダイラ: 昨日?まさか、もしかしてタイムループしているわけじゃないよね。


クワヤマダくん: でも、確信が持てないんだよ。同じ場所で同じラーメンを毎日食べている感じがする。


ダイラ: まさか…でも、どうやって確かめるの?


クワヤマダくん: それが難しいんだよ。昨日の出来事を思い出せないし、違うことをしようとしても、結局はまたここでラーメンを食べている気がする。


ダイラ: これってどんなタイムループなのかしら?未来を変えるためのチャンスなのか、それともただの日常の繰り返し?


クワヤマダくん: 分からないけど、もしこれがチャンスなら、何か違うことをやってみるべきかもしれない。でも、どんな選択をしても、最終的にはまたラーメンを食べているかもしれないね。


ダイラ: それもまた一つの経験だと思えば、楽しむことができるかもしれないよ。


クワヤマダくん: ダイラさんはポジティブだね。今を大切に楽しもう。それにしても、このラーメン、本当においしいな!


ダイラ: 店長さんには、毎日会っている気がする。


クワヤマダくん: そうだね、でもさ、なんだか変な感じがするんだ。これって昨日も食べた気がするんだけど。


ダイラ: やっぱり、タイムループしているなこれは、クワヤマダくん昨日と同じ事言ってる。


クワヤマダくん: でも、確信が持てないんだよ?


店員さん: ねえ、実はこのタイムループ、100回目なんですよ。カミングアウトするわ。


ダイラ: ええっ!?100回も繰り返されていたなんて。でも、なぜこんなことが起きているのかしら?


クワヤマダくん: そうだね、ラーメンが好きなので、特に不自由していたわけじゃないけど。


店員さん: タイムループを解除する解決策はあります。この店の店長さんが若き日の夢を叶えることが必要なんです。彼の夢は現代アーティストになることで、その夢が叶うことでタイムループが終わるのです。このラーメン屋には店長の念が強く、貴方がたのようなアーティストさんが来るとタイムループが始まるのです。


ダイラ: なるほど、それならば、店長さんの夢を叶える方法を考えないといけませんね。


クワヤマダくん: でも、どうやって彼の夢を叶えることができるのかしら?


店員さん: 実は店長さん、若いころに絵を描いていたことがあります。だから、現代アーティストになる夢を叶えるために、彼にチャンスを与えてください。


ダイラ: 分かりました、私たちも協力しましょう。何かアイデアがあるか、クワヤマダくん?


クワヤマダくん: そうだね、店長さんのアート作品を展示するイベントを開催し、彼の才能を広く知らせることができるかもしれない。


店員さん: それは素晴らしいアイデアです!店長さんが自分の夢を叶える手助けをすることが、このタイムループを解く鍵になるかもしれません。ありがとう、お願いします。


ダイラ: クワヤマダくん、この店長さんの描きかけの絵に味付けをしたら、店長さんにとっては大きなインスピレーションになるかもしれないね。


クワヤマダくん: そうだね、何か店長さんのアートを引き立てる要素を加えることができれば、彼の自信を取り戻させるかもしれない。


(ダイラとクワヤマダくんは店長の絵に微調整を加える。ダイラは穴を開け特殊照明、クワヤマダくんは絵を細かく刻む)


店長: どうしたんですか、みなさん?


ダイラ: お待ちしていました、店長さん。私たちはあなたのアートをさらに魅力的にしようと思ったんです。


クワヤマダくん: そうです、そして、実際に個展を開くことをお勧めします。あなたの才能は本物で、それを広く人々に見せるべきです。


店長: でも、もし売れっ子アーティストになってしまったら、ラーメン屋を続けながら絵を描くのは難しいんですよ。自信がなくて…。


ダイラ: でも、店長さん、本当に価値のあるアートは、人々との共感のためです。それを信じてください。


(店長さんは考え込みますが、最終的に個展を開くことに同意)


店長: 分かりました、やってみましょう。でも、どうせ誰も来ないだろうな…


(個展が開催されるが、実際には時間を持てあました老人が一人来ただけでした)


老人: あなたの絵を見て、私は自分の人生を振り返りました。感謝の気持ちでいっぱいです。時間をもらったような気がします。


店長: 本当に、ありがとうございます。あなたの言葉が私に自信と勇気を与えました。私はラーメン屋を続けながら、絵を描き続けることを決意します。


タイムループが解除されたが、二人は再びラーメン屋に行ってしまった。


ダイラ: まあ、クワヤマダくんのラーメン漬けの日々は、タイムループしていなくとも変わらないけど、お世話になっている店長さんの生き甲斐のひとつが見つかったことが、何より嬉しいね!




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