ダイラ道
第271話 クワヤマダ物語
逆さまのバベル - 地球と人間社会の在り方の限界を問う
クワヤマダくん: ダイラさん、あの閉店した食堂でゲリラ展示している作品が凄いらしいですよ!
ダイラ: いいね、楽しみだ。どんなアートなのかな?
[二人はギャラリー(元食堂)へ向かい、「底から見上げ水平に見下ろす」テーマで作られた作品を鑑賞しようとしています。しかし、予想外の事件が起こる...]
クワヤマダくん: おい、これって底から見上げるのか?水平に見下ろすのか?
ダイラ: うーん、どっちでもよさそうだよ。この電球は何だ?LED(発光ダイオード)じゃないな。昭和レトロ感出てる。
[ギャラリー内で観客たちも混乱し、どの角度から見るべきか戸惑っている様子。]
クワヤマダくん: 底から見上げるって感じでもあるし、水平に見下ろすって感じもする。これは一体何を表現しているんだろう。足元がふらつきますね。
ダイラ: そこが逆に面白いのかもしれない。でも、これって事件になりそうだね。
[すると、ギャラリーの騒動に気づいた作家らしき人物が現れます...]
作家: 皆さん、ごめんなさい!これはまだ途中でして…。アートには完成がないですね~。
[作家が底から見上げたり、水平に見下ろしたりと、自らも作品の意図が分からず迷宮入りしている様子。]
クワヤマダくん: これが逆に良いんじゃないか?見る人によって解釈が自由だし。
ダイラ: そうだね、アートには完璧な答えなんてないんだから。長野県民が見たら、アルプス山脈に見えるだろうし、造形屋さんが見たら、ヒートカッターを入れたくなるだろうね。
[結局、閉店した食堂の薄暗い天井に浮かび上がる謎の物体が話題となる]
ダイラ: なるほど、この逆さまの形態はバベルの塔なのかもしれない。力強いメッセージがあるね。人間が神の領域に手を出すことがどれだけ危険であるかを表しているんだな。
クワヤマダくん: そうだ。人間が無謀にも神聖な領域に手を出すことで、自らの伝達手段の言葉を神の力で多様化され、価値観が複雑化し、自滅していく。そして、そこには取り残された物質の象徴でもある、無限の裸電球が煌々と灯り、それが自然と人間社会の間を映し出しているんだ。
ダイラ: 無限の裸電球は、まるで我々の知識や文明の光のようだ。それが反射している鏡は、現実の中での我々のむき出しの姿を映し出しているというわけか。
クワヤマダくん: そうだ。だけど、人間が神の領域に挑むことで、その光は失われ、何もかもが逆転してしまう。このアートはその矛盾とも言える美しさを表現しているよ。
ダイラ: 深いテーマだな。これを見たら、地球や人間社会に対して、どんな考えが湧くだろう?
クワヤマダくん: それは見る者次第だ。でも、少なくとも僕らはこれを通して、自らがどれだけ地球と向き合ってきたか、そしてどんな未来に向かっていくべきかを考えることができる。
ダイラ: そうだな。奥が深いね。数億年後、この地球は人間が住めなくなると環境学者が言っていた。
クワヤマダくん: どう受け取るかは見る人次第だろう。
ダイラ: この作品を通じて、地球と人間社会の在り方、そして限界について考えることができる。このアートは問いかけと警鐘を鳴らす力があるんだ。
クワヤマダくん: その通りだ。これを見た人たちが、自らの立場を考え直し、新しい視点から地球と向き合うきっかけになればいいな。この作家は凄腕だ!!
ダイラ:クワヤマダくん、いつになく力が入っているねぇ。
クワヤマダくん:ニンニク山盛りのラーメン食ってきたので!
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