第267話 AIモノマネ王座決定戦

ダイラ:人間って、面白い生き物だよね。


クワヤマダくん:本当にそうだね。昔はAIが台頭すると、人間の文化や芸術が失われるって恐れられていたけど、実際は逆だったんだよ。


ダイラ:そうそう。AIの漫才とか、正直つまんないんだけど、それを元に芸人たちが新しい笑いを生み出すっていうのは、意外だったよね。

特にAI完コピ漫才がウケている。


クワヤマダくん:AIの漫才を元ネタにして、AIをマネてる文脈から笑いを作り出すっていうのは、ほんとに面白い発想だよね。五木ロボットコロッケが先駆けだわ。


ダイラ:まさかそんなことになるとは思ってなかったよ。芸術も同じで、AIがアーティストを乗っ取るんじゃないかと心配してたけど、逆にAIの真似をしてるアーティストが成功してるんだから。


クワヤマダくん:そうだね。AIの影響って、人間の脳神経ミラーニューロンが反応する仕組みと関係があるって脳科学者が言ってたよ。モノマネ芸人が本家よりも面白いっていうのも、その影響だろうね。


ダイラ:確かにね。でも、10年前に出回ったAIが作った食事動画とか、最初はクオリティが低かったんだよね。でも、その不完全さを真似することで、それが面白くてバズったんだ。


クワヤマダくん:その真似をするっていう行為が、笑いや興味を引く要因になったんだね。


ダイラ:まるで偉人や成功者の失敗を笑ってるみたいな文化だよね。AIの不完全さを共有して楽しむっていう感じかな。


クワヤマダくん:それって、人間の持つ共感や安心感と結びついてる部分もあるんだろうな。


ダイラ:うん、確かに。だけど、AIがどれだけ進化しても、人間の未熟さや不完全さは変わらないってのは、ちょっと恐ろしいな。


クワヤマダくん:人間をAIがマネして、そのAIを人間がマネして新しい文化が生まれる。悲しいかな、それが人間らしさなんだろうね。



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