第254話 トンデモダイラ(中間管理職編)
『光と影のアート?』
部下の横柄な態度と失敗したプレゼントによってストレスを抱える中間管理職の正男は、心の迷宮に閉じこもってしまっていた。自信を失い、人前で話すことができなくなってしまった彼は、どうすれば元の自分に戻ることができるのか悩んでいた。
ある日、友人から街の心療内科を紹介された正男は、躊躇しながらもその場所を訪れることにした。心の痛みを抱えたままでいるのはつらく、何か解決策が見つかるかもしれないという一縷の望みを抱きながら。
心療内科に到着した正男は、優しい笑顔の医師に迎えられた。医師は彼の話をじっくりと聞き、その後、行動療法を勧めた。正男は興味深そうに頷きながら、具体的な方法を教えてもらうことになった。
数週間後、正男は心療内科の提案に従い、特殊照明作家として知られるダイラとの出会いを果たす。ダイラは筋肉質でやたら声が大きく、テンションが高かった。一風変わった言動が特徴的で、正男はたじろいだ。
正男:(緊張しながらダイラのアトリエに足を踏み入れる)
...
(アトリエの中には特殊な照明装置や作品が所狭しと並んでいる)
ダイラ:ようこそ、正男さん。私のアトリエへ。
正男:あ、ありがとうございます。ダイラさんですよね?
ダイラ:その通り。僕がダイラだよ。普段はこんな感じで奇抜な衣装を着てるんだけど、気にしないでね。
正男:(微笑みながら)いえ、全然構いませんよ。実は、心療内科の先生からあなたに会ってみることを勧められたんです。
ダイラ:そうなんだ。それは光栄だよ。私の作品を通じて、人々の心に何かを届けられることを願っているんだ。
正男:本当にそんな力があるんですか?
ダイラ:光と影のアートは、見る人の心を揺さぶる力を持っていると信じているんだ。それは人それぞれだけど、君の心にも何かを訴えかけるかもしれないよ。
正男:(少し緊張がほぐれ、興味津々で周りを見渡す)作品たち、すごく美しいですね。光と影の魔法みたいです。
ダイラ:ありがとう。僕は光と影を使って、人々の感情や思考を映し出すことを目指しているんだ。君もぜひ、その魔法に触れてみてくれ。
正男:(心が躍り始める)それはとても魅力的です。私は最近、自分自身の思考に閉じこもってしまっていて、人前で話すことができなくなってしまったんです。
ダイラ:それは辛いね。でも大丈夫。君の思考回路を少し変えてみせるよ。光と影のアートの力で、君の心を開放していくんだ。
正男:本当にそんなことができるんですか?
ダイラ:信じてみてくれ。まずは私の趣味の話を聞いてくれ。
ダイラは大量のDVDを持ってきて、映画論を話し始めた。
正男:あ、あ、あ、あのー映画論が始まってから、3時間たちましたが…。
ダイラ:え!まだ序の口だよ。これから、僕がこれまで貯めた、映画パンフレットを見せるから!
正男:もしかして、この山積みになっているダンボールですか。
ダイラ:あっちの部屋にもあるから。
正男:わわわ。帰ってもいいですか?仕事があるんで。
ダイラ:え?え?マジ?
正男:ダイラさんが楽しく話す姿を見ていたら、私も話したくなってきました!もう一度、プレゼン頑張ってます。
ダイラ:そんななら、いいか。まだまだこれからだったんだけどなー。
正男:ダイラさんの作品のお話は全く聞けませんでしたが、心が軽くなりました。
ダイラ:また、悩んだら来てねー。次はあっちの部屋にある怪獣フィギュアの話するから。
正男の心に光が灯った。
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