第249話 のっぽさんはノンポリさん?
ダイラ: 最近の現代アートは、政治的な表現が増えているよね。どう考える?
クワヤマダくん: 政治的なアートって、具体的にどんなものを指しているんだろう?
ダイラ: たとえば、戦争や環境問題など、社会的なテーマを取り上げた作品だよ。でも、そんな政治的なアートを見ると、最近亡くなったのっぽさんを思い出すんだよね。
クワヤマダくん: のっぽさんって、政治とは無関係だったけど、のんびりとした雰囲気があって、なんだか安心した気分になったよね。学校で嫌なことがあっても、のっぽさんとゴン太くんの無言のやり取りを見ているとほっとしたよ。
ダイラ: そうそう、オレもかなり癒されたよ。しゃべることが苦手な子供はのっぽさんの存在感が大きく見えたと思うよ。のっぽさんからは社会的な問題が切り離されていた。そういう世界観を大切にしている大人がいることに勇気づけられたよ。
クワヤマダくん: それって、一昔前のノンポリ層の人たちも同じような感じだったのかもしれないね。政治的な問題には興味がないけど、自分たちの生活を楽しんでいる人たち。学生運動はやらず、私はノンポリだったから、関係ない顔して制作していたというアーティストも多い。
ダイラ: でも、アーティストにとっては、社会的な問題に向き合わなければならない場合もある。そのトレードオフは難しいところだけど、のんびりとした雰囲気も大切にしたいと思うよ。最近亡くなった坂本龍一さんは、バリバリの社会派の一面は最期まであったよね。両面が際立つ稀有な存在だった。
クワヤマダくん: そうだね。アートは、社会問題に対する批評や問題提起だけじゃなくて、私たちに心地よい気持ちを与えてくれることもある。のんびりとした雰囲気も、アートの中で表現されるべきだと思う
ダイラ: そうだよね。アートは多様な表現方法やアプローチがあるから、のんびりとした雰囲気や楽しさを取り入れながらも、社会的な問題に対する意識や関心を喚起する作品を生み出すことができるんだ。
クワヤマダくん: アートは人々の心を揺さぶる力を持っているんだ。のんびりとした雰囲気や楽しさを通じても、社会的な問題に対する関心や行動への呼びかけを忘れずに取り入れていくことが大切だと思うよ。ノンバーバルな世界から紡ぎ出されるものをアーティストは大事にしたいよね。
ダイラ: そうだね。のんびりとした雰囲気やのっぽさんのような存在が、今の社会やアートの世界にも必要なんだと感じるよ。インクルーシブな社会の先駆けがのっぽさんとゴン太くんだった。できる人も、実はできないこと(話せない)があるという隠れたメッセージを子供に伝えていた。
クワヤマダくん: のっぽさんのような人たちが、社会に貢献できる可能性を探ることが、これからの社会には必要なんだと思うよ。インクルーシブが当たり前の世の中にしたい。
ダイラ: 例えば、のっぽさんの番組を見ることで、子どもたちはリラックスした状態になれるし、その中から社会的なメッセージや思いを受け取ることもできるんだ。
クワヤマダくん: アートは人々の心に響く力を持っているから、言葉に頼らずとも共感や気づきを生み出せるんだ。のんびりとした雰囲気やノンバーバル(非言語的なコミュニケーション)な表現が、活躍できる社会を象徴していた。平和の象徴です。
ダイラ: その通りだね。アートは言葉だけでなく、非言語的なコミュニケーションでも人々を結びつける力があるんだ。だからこそ、のんびりとした雰囲気や無言のやり取りを大切にすることで、多くの人々が参加できるアートの世界を築いていきたいよね。
クワヤマダくん:さっきから、のっぽさんはのんびりとした存在として話していましたが、工作中の、のっぽさんの目はバッキバキだった。
ダイラ:ゴン太くんとほのぼの工作というのは、こちら側の思い込みだった?
クワヤマダくん:ノンポリでも生活するためには必死ですからね。
ダイラ:カメラの向こう側にいるスタッフからの圧力を感じつつ、冷や汗かきながら僕らのためにがんばってくれていたんだろうね。
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