GPTダイラ
第241話 びんずるのずるびん
要約:この会話は、日本の長野県にある善光寺本堂に祀られている「びんずるさま」という神仏像に関するものです。この像は、体の特定の部位を触れるとご利益があると信じられています。しかし、2023年4月に盗難が発生し、その後、像が戻った後も多くの人々が触り続けたため、像の顔面や体が痛んでしまいました。会話は、日本人の信仰心や触りたい欲求、そして「びんずるさま」の存在意義について言及しています。
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「ダイラさん、長野県にある善光寺本堂に祀られているびんずるさまをご存知ですか?」
「知ってるよ。お釈迦様の弟子で、治したい部位をなでて治癒を祈る像でしょ。善光寺さんのおびんずるさんは約300年にわたり、人々になでられ続けて今のお姿になったとか。あれは確か2023年4月に盗まれたんだよね。」
「すぐに見つかって、犯人も逮捕されたのですが、その後がトンデモナイことになってしまったんですよ。」
「それって、祟り的な?オレも腕を触ったことがある。お陰で今でもムッキムキだわ。」
「びんずるさまの顔面がほぼ削られていましたよね。それだけ、顔の造形を何とかしたい人が多いのでしょうか。皮肉にも、平い顔族になりおうせられましたが・・。」
「盗まれたびんずるさまが全国ニュースに出たときは、一瞬ホラー映画のワンシーンかと思ったよ。今はどうなっているの?」
「コロナが下火になり、ようやく思い存分びんずるさまに触れると思っていた矢先の盗難騒ぎで、長野県民のストレスが爆発しました。その反動で、びんずるさまが帰ってきた途端に触りまくる人が爆増しました。」
「反動って怖いよね。もしかして・・。」
「すでに頭部は無くなり、ボディーもガリッガリになりました。」
「そりゃ触り過ぎだわ。」
「善光寺もさすがに盗まれてからはセキュリティを強化しましたが、まさか触り過ぎでびんずるさまが消えゆく存在になるとは思っていなかったようです。」
「人間の業の深さが表れているよね。ある意味、アートだわ。」
「日本人は潔癖になったなんていう評論家もいるけど、びんずるさまを触る人々を見たらそれは嘘だね。自分にご利益さえあれば、何でも触るのが日本人の気質なんだよね。」
「そう言えば、御開帳のときの御柱も凄い勢いで触られていたわ。」
「海外からわざわざ触りに来る人もたくさんいたらしいからね。」
「科学的に云々かんぬんじゃなくて、何かを信じることで、人間が本来持っているパワーが引き出されるってことがありそうだ。」
「無料で触れてパワーが引き出されるんなら、びんずるさまの存在意義は途轍もないかもしれない。」
「びんずるさまを盗んだ輩の行いは犯罪だが、びんずるさまがいなくなった時間は改めてびんずるさまの威力を知る上で、貴重な時間だったのかもしれないね。」
「うんうん。わかるけど、でもやっぱり、あれはホラーだわ。」
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