第3話
「神の怒りをその身に受けよ――トールハンマー!」
「グギャアアアッ!?」」
眩いばかりの雷撃が地上に降りそそぐ。金色の雷に包まれた魔物の群れが跡形もなく消滅する。
「依頼達成、問題ないな」
依頼されたゴブリンキングの討伐が終わった。
ゴブリンキングはゴブリンの軍勢を率いて、小さな国であれば滅亡に追いやってしまうこともある危険な魔物である。
とはいえ、今回は生まれたばかりだったらしく配下のゴブリンも千体ほど。半日とかからずに壊滅させられる仕事だった。
「……アレは放っておいて良いな」
撃ち漏らしたゴブリンの一部が逃走していくが……追撃することはしない。
依頼されたのはあくまでもゴブリンキングの討伐。雑魚のゴブリンの処理までは請け負ってはいないからだ。
ギルドで受けた2つの依頼は1週間とかからず片付いた。
もう1件の依頼は山に住み着いたドラゴンの討伐だったが……こちらも楽勝。移動時間の方がかかったくらいである。
「仕事も済んだことだし、さっさと帰るか」
この国まで来るのは時間がかかったが……帰りは楽である。転移魔法を使えば済む。
『雷獅子』の二つ名が示すように雷の魔法を得意としていたが、空間魔法もいくつか使うことができる。事前にマーキングしていた場所に瞬時に移動する『テレポート』もその1つだ。
転移できる場所は限られているが、帰りの手間を省くことができるため重宝している。
「よお、戻ってきたぞ」
「リオンさん……!」
報告のために冒険者ギルドを訪れると、顔見知りの受付嬢が困ったような表情を向けてきた。
いつもとは違う態度だ。何かあったのだろうか?
「ちょうどよかった……実は、リオンさんにお客様が来ているのです」
「客……?」
怪訝に問いかけると、受付嬢は申し訳なさそうに口を開く。
「はい。例の国……レンガルト王国からの使者が来ています」
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