第21話 言の葉の雨
僕は雨が好きかもしれない。
ある作中で彼女は、主人公に対して「雨が好きな人なんているの?」と聞いた。
いるんだな、それが。と僕は返したい。主人公もそう返していたかな。忘れた。
たしかに、僕は晴れのほうが好きだ。ただ、晴れが好きな人の中では、僕は雨が結構好きな方だと思う。雨を見るのが好き。雨に当たるのも好き。
ある夏の日に、コンクリートにぽつぽつと雨粒が落ちてきて、なんとも言えない香りも好き。その中でも、僕がそこまで好きじゃないのは湿度だろう。
しっけるのはよくない。気分も悪くなってしまうこともある。
夏の夕方に降るスコールはとても好きだ。ただ、梅雨はそこまで好きではない。
あんまり雨が好きだといっても、僕は晴れのほうが好きなので、梅雨は雨が多すぎてちょっと。じめじめし過ぎかな。朝顔は好きなんだけど。
ここまで僕の天気の好みを書いたけどまあそれはどうでもいい。
雨について書いたのは、今日雨が降っていたからという理由しかない。
とあるグループで、各々が恋愛の経験を話すということがあった。
聞いていて、なるほどと思うこともあった。人の数だけ何かしら経験があるのは当然のこと。例によって、僕のことを話す場面もあった。僕の恋愛の話については、また新しい連載を始めるか、この「無題」のなかで書くことになるかもしれない。まあ、しばらくあとの話だ。そういう話をして、誰かが思ったこととかを返してくれるのは嬉しい。「恋愛」っていうのは、結構な確率でみんながしてきたものなんじゃないかな。だから、共感とかもしてもらいたいんだろう。たとえ、その人達との繋がりが現実でなくとも、一瞬でも「心地よさ」を味わえたらそれでいいんだ。
自分の思い通りにいかないことが多い。
自分の好きなようにいかないことが多い。この文面だけを見てもよっぽど自己中心的な考えだと思うだろう。まるで、世界は自分を中心に回っていると思うような。たしかに、中学生の一時期とかはそう思っていたこともあったかもしれない。思い出すととても恥ずかしい話だ。なんでも、自分がしたいことができなかったときは怒っていた。我慢というのを知らなかったのか。怒っていたといっても、人とかものに当たっていたわけではない。どちらかというと、そんな感情を抱いてしまう僕の方が許せなかった。あのときから少しくらいは成長したと思いたい。
「言の葉の雨」
雨っていい隠喩だ。必要不可欠なもの。絶えず、降り注ぐもの。恵みをもたらすもの。たまに、災害をもたらすもの。「言葉」にぴったりだと思わないか。今まで、言葉で恵まれたことってあったかな。災害を引き起こすというのはよくあるんだけど。やっぱり、言葉を好きなように使うのは難しい。言葉次第で結構なことが上手くいくとは思う。だから、難しいんだろう。
「ずぶ濡れでもきっと誰かには芽ぐみの雨だった。」
怒りって、どんだけ怒っていても、一時間くらい経ったり、なにかきっかけがあるとすぐに消えてしまう。感情ってそんなに儚いものだったっけ。
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