秋乃は立哉を笑わせたい 第23笑
如月 仁成
予告編 催眠術の日
~ 三月二十一日(月祝) 催眠術の日 ~
パパ! 凜々花、目覚めたかも!
多分そうだろうね。おはよう。
そういうとんちじゃなく! 凜々花、やべーチカラが秘められてた!
あちゃあ。ママは何を君に埋め込んで、今、僕を困らせてるのかな?
催涙ガス!
ママはバカなのかな? それとも僕が今時じゃないのかな?
あんな? パパにかけてもいい?
いやだよさすがに、目が痛いのなんて。
目は痛くなんねえよ?
え? なにか他の物と言い間違えてる?
間違ってなんかねえよ! 催涙ガスにかかると、目は重たくなるんよ!
重たく? もっとヒントが難しいなあ。
こう、五円玉を吊るして左右に揺らすと……。
まさか二文字しか合ってないとは思わなかった。今日の問題は難しすぎだよ。
パパはだんだん眠くなーる、眠くなーる。
あ、それ助かるかも。休みの日に寝坊しててもお兄ちゃんに怒られないなんて夢のよう。
どう? 寝た?
困ったな。二度寝したいところなんだけど、パパのポケットに入った財布に手を伸ばそうとされたらそういうわけいかないかな。
パパには効かないのか……。さすがは防御力100!
お。褒められた。
どんだけママに罵声浴びせられても平気でいるなんて、凜々花には到底無理だかんね!
もうちょっとゆっくり喋ってもらいたかったな。そしたらもう何秒か幸せでいられたのに。
でもな? この細菌学……。
どうあっても二文字しか合わせる気ないよね。
ちゃんとかかってるんよ、大変なことに!
そうは思えないんだけど。
だって、おにいがどこにいても分かる催眠術、ちゃんとかかったんよ!
え? ほんと?
今は、トイレ!
自分にかけちゃったんだね。
――催眠術。
単純な奴ほどかかりやすいと。
昔、何かの本で読んだなあ。
俺は試しに、凜々花に催眠術をかけてやろうと思いながら。
トイレのドアを開けた。
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