書き手なら100%共感できる小話

おぎおぎそ

書き手なら100%共感できる小話

 どーも、こんにちは。おぎおぎそと申します。普段はくだらないコメディや、日常の中の非日常をテーマに物書きをしております。


 今回はKACのテーマが「私だけのヒーロー」ということで、いつもとは趣向を変えて、ノンフィクションというか、エッセイというか、そういう雰囲気でつらつらと書いてみようと思います。


 さて、これからお話しするのは書き手なら(というよりも何らかの創作活動をしたことがある人なら)誰でも共感してくれることについてです。読み専の方は、「最も簡単にヒーローになるための方法論」とでも思って読み進めていただければと思います。


 私事になりますが、私が小説を書き始めたのは四年ほど前のことです。

 初めて書いた小説をほんの出来心で新人賞に応募してみたところ、幸か不幸か一次審査を通過してしまいました。さあ、ここが第一の共感ポイントですよ、皆さん。創作者は、自分の創作物を少しでも褒められたりすると、調子に乗ります。調子に乗って、その快感が忘れられなくなり、創作をやめられなくなります。身に覚え、ありますよね?


 かくいう私も、創作中毒になったうちの一人です。


 より多くの人に小説を読んでもらいたい、評価してもらいたいという、ある種の自己承認欲求をこじらせた私は、カクヨムに小説を投稿することに決めました。


 ところが(第二の共感ポイント)、人気作家になれるどころかPV数も全然伸びず、まさに鳴かず飛ばず。投稿を続けていくうちに、段々と自己肯定感が削られていきました。


 もちろん、たまにはハートがもらえたり、レビューをつけてもらえることもありました。そういった数字の一つ一つは勿論ありがたかったのですが、思い出してください。この書き手、調子に乗っています。「もっと伸びるはず」「数字が伸びないのは運営のせいだ」「いや、バグか? システムのバグか?」「違う、これはイルミナティの陰謀だ」……。そんな思いに囚われる時間も多くなり、段々と小説を書く意味を、楽しさを見失っていきました。


 楽しくて創作をしていたはずなのに、いつの間にか私は小説を書くことが苦痛になっていました。


 さてその頃、KAC(初開催のときだった気がします)が開催されることを知り、私は気まぐれで参加してみることにしました。当時私は学業の方が忙しく、かつ学業の方の成績も伸び悩んでいたため、本当に気晴らし程度、ノートの切れ端をネットに投げるような感覚で小説を投稿していました。


 すると、カクヨムのアプリに通知が入ります。それも一個や二個ではありませんでした。どうやら、拙作にコメントを残してくださった方がいるようでした。


 ところで、私は以前ブログを書いていたことがあります(閉鎖済)。そのブログでは寄せられるコメントといえば「つまらない」「やめちまえ」などの罵詈雑言の嵐。自己肯定感メーターが底をついていた頃のことですから、小説に寄せられたコメントもきっと……とビクビクしながらコメントを確認しました。




「面白かったです!」

「心温まるお話でした!」

「言葉のセンスやテンポが良いですね!」




 私が受け取ったコメントは、そんな素敵な言葉で溢れていました。


 涙が出そうな程嬉しかったことを覚えています。書いて良かった、投稿して良かった。小説を書きだしてから初めて、心の底からそう思えた瞬間でした。


 カクヨムにいる皆さんなら、書き手、読み手問わず「言葉の力」がいかに強力であるかはご存知だと思います。もし魔法や超能力がこの世にあるとするならば、その一つは確実に「言葉」です。


 相変わらずPV数だけで見れば、私の作品は鳴かず飛ばずです。


 しかし、その感想の一つ一つが、寄せられた言葉のそれぞれが。


 私を笑顔にしてくれたこと、幸せにしてくれたことは間違いありません。少なくとも物書きとしての私の「命」を救ってくれたのは、あの時コメントをくださった方々といって過言ではありません。



 今、この小話を読んでいるあなた。


 これから先、誰かの作品で笑顔になることがあれば、素敵な作品だと思うことがあれば是非、感想を送ってみてください。


「すごい」でも「面白い」でもなんでも構いません。一言、たった一言で充分です。カクヨムなら応援コメントなり、レビューなり。ツイッターで見かけた漫画ならリプなりDMなり。あなたのその一言が、今度は作り手を笑顔にします。



 そして是非、なってください。


 あなたの言葉で、愛で。


 創作者たちの「命」を救う――。




 ――唯一無二の、ヒーローに。

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