破滅の詩
〈Ⅰ．まあいいじゃん〉
まあいいじゃん そんなに暗くならないで
そんなことでいちいち悩んだりしないで
話を聞いてあげるから アドバイスしてあげるから
だからそれで満足して
お前には我慢が足りない、根性がない
世の中自分次第だ
だからもうちょっと頑張ってみて
この俺のように
ほらね助けてあげてるでしょ
俺の助けたいように助けられろ
それで救われないというならお前は傲慢なんだ
せっかく良い言葉をかけてやってるっていうのに
だからまあ、まあいいじゃん
お前の悩みなんか大した悩みじゃないんだから
〈Ⅱ.どっちもどっち〉
そりゃ相手だって悪いと思うよ？
でもお前にも問題があるんじゃない？
お前は頑固で、強情で、融通が効かない
そういうのが相手にお前を攻撃させるんじゃない？
だからお前が変わった方がいいよ
相手が攻撃してきてもちゃんと防御するとか
っていうかちゃんと話をした方がいいよ
自分を殴ってくる相手ともちゃんと話をしよう
それに相手だってきっと何かを抱えてる
だからお前を攻撃してしまうんだよ
だから折れて、優しくしてあげなよ
そしたらきっとお前を殴るのをやめてくれるよ
〈Ⅲ.みんなたいへん〉
誰もが何かを悩んでる
お前だけじゃないよ
だからそんなに悩まないで
他にもっと悩んでる人がいるっていうのに
図々しいと思わない？
誰もが何かを悩んでる
それがわかればお前の悩みも
半減したり消滅したりすることだろう
みんな大変で、お前より大変な人たちがたくさんいる
それがわかればお前の悩みが
単なる甘えだってわかるでしょ
他にもっと悩んでる人がいるっていうのに
図々しいと思わない？
〈Ⅳ.おれのほうがつらい〉
お前に悩み事なんかないだろ
お前に困り事なんかないだろ
お前は気楽に生きてるんだから
お前は恵まれてるよ
それに比べて俺はなんて不幸なんだろう
幸せなお前と違って俺の人生は大変だ
ああ辛い、ああ辛い、俺の方が辛い
いいな、いいな、お前は悩みなんかなくて
お前は恵まれてるよ
だからお前は俺に優しくするべきだ
自分のことより俺を大切にするべきだ
お前は恵まれてるんだから
〈Ⅴ.ひとのせいにするな〉
人のせいにするな 他人のせいにするな
全ては自分次第 全部自己責任
社会は悪くない 人のせいじゃない
人のせいにするな 周りのせいにするな
それじゃお前は俺が悪いとでも言うのか
俺は悪くない 俺は何も悪くない
お前が人のせいにすると、巡り巡って俺のせいになる
だから人のせいにするな
全部お前のせいなんだから
〈Ⅵ.たのしくやろうよ〉
美味しいものでも食べに行こう
カラオケでも行って発散しようよ
問題自体が解決しなくても、全ては気の持ちよう
人生、プラス思考のポジティヴ・シンキングでいこうよ
前向きに生きていれば、そしたらなんとかなるよ
考え方を変えて、ものの見方を変えてご覧
そしたらうまくいくよ
問題そのものが何も解決しなくても
全部気の持ちようだから
〈Ⅶ.しょうがない〉
仕様がない 人生いろいろだから
仕様がない 世の中そういうものだから
仕様がない 仕様がないことってあるものだ
だから悩んでるなんていちいち言わないで黙っていなさい
それが正しい生き方だ
俺も頑張ってる 踏ん張ってる
嫌なことがあっても堪えてる
だからお前もこの俺のように辛抱しなさい
じゃなきゃ許さない
じゃなきゃ不公平じゃないか
お前だけ幸せになるなんて
お前だけ夢を叶えるなんて
お前だけ問題を解決できるなんて
許さない
許さない
仕様がない 人生いろいろだから
仕様がない 世の中そういうものだから
仕様がない 仕様がないことってあるものだ
だから悩んでるなんていちいち言わないで
黙っていなさい
そしたらお前は幸せ
俺も幸せ
みんな幸せでいられるから
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