第3話
施設の職員に声かけると、個室に通される。
意識は無さそうである。
一応、声を掛ける、
「お母さん、俺だよ、来たよ」
と、何度も声かけるが、反応は無い。
布団をめくり、母の右手を握る、
だけど、やはり反応は無い。
職員が様子を見に来た、何時頃まで居て良いか聞くと、20時位だと言う。
1時間程、母の右手を握りながら、言いたいことをぶつけた。
もごもご、声にならないが口を動かしていた。
余程、返す言葉があったのかもしれない。
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