第10話 さよならと後悔

「よくぞ来たな、逃げなかったことに感心してやろう。貴様はループ一回で足りるとほざいておったが到底無理に決まっとる。さすが幼稚じゃの」

 吸い込まれた瞬間の罵倒。とても腹立たしい他ならない。しかしこの結果は変わりもしない。全ては

「僕のせいだ。でもまだループは9回残っている。何も焦る必要はないと思う。」

 そう答えると悪魔はそうかそうか、と頷いていた。すると口が裂けたように笑いはじめた。

「なんだ⁉︎僕はまだループが残っているんだろう。何がおかしい。」

「実に阿呆じゃ。、、、人を殺しておいての。」


        は??


「なんでお前が知っている!別にこのループは失敗した。またリセットされてピンピン生きているんだろう?」

 キレながら僕は質問攻めを行う。しかし悪魔はまだ笑っている。僕を見下すかのように。

「貴様は余裕をこいていたのだ。最初の説明、飛ばしたのを覚えているか?あの時聞いておけばこんなことにはならなかったのにな。」

「それは、、、?」

 もうなんとなく察しはついていた。やはり

「罪の重さだ。その重さによって残りのループ回数は減らされる。貴様の今回の罪は殺人。もっともの禁忌となる。よって


  残りのループは一回となる。」


 そしてまた空間が歪む。待って、待ってくれ。あと一回なんて、やばい、失敗したら沙耶はもういなくなってしまう。どうしよう。


 そして気がつくと、日付は7月13日、蝉がジージーと泣いていた。


 

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なもなき僕らが探し続けた幸せは、、、 あおすい @aposutorofi

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