3.敏感で人の思っていることが分かる

 次の朝、私が教室に入ると、香織が優希の席の横に座っていて、二人でひそひそと話をしていたわ。それで、香織が私に気づいて、優希に目配せしたの。そしたら、優希も私をちらりと見たの。


 私はピンときたわ。きっと、私の悪口を言ってるんだって。私は敏感で、人の仕草や声音などで、その人が思っていることを察することがよくあるのよ。それで、私は香織と優希の雰囲気で二人が私の悪口を言っていたって分かったの。


 私は「おはよ」とだけ言って、二人の横を通り過ぎたわ。そして、何もなかったように自分の席に座ったの。


 きっと亜美が二人に私の悪口を吹き込んだんだ。そう思うと、私、悲しくなってきちゃった。亜美、香織、優希・・三人のことが頭から離れなくなって、私はまた授業どころじゃなくなったの。


 結局、香織と優希とは今日は授業が終わるまで一言も話さなかったわ。


 授業が終わると、部室に行ったの。昨日、部活を休んだから、さすがに今日は出ないといけない。それに、ダンスの大会が近づいているから、もう休むわけにはいかなかったの。

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