マ行

マスケートゥム【MUSQUETUM】

〇アイテム名:短小銃マスケートゥム【MUSQUETUM】

       (複数系は「マスケータ【MUSQUETA】」)


〇概要

 レーマ帝国軍の標準装備となっている小銃で歩兵・騎兵の共用。

 前装式マズル・ローダーのフリントロック式小銃。銃身はライフリングのない滑腔銃身スムースボアの鋳造製で、基本的に砲金ガンメタル(銅90%、錫10%の合金)で作られるが砲金以外にも青銅ブロンズ黄銅ブラスで作られる例もある。

 口径は7/8インチ(22.5㎜)、銃身長15.5~15.8インチ(398~406㎜)‥‥‥銃身長は鋳造後の銃身を切削加工する際の誤差が大きく、1㎝くらいの個体差がある。同じ理由で銃の全長も29.8~30.2インチ(766~776㎜)の幅がある。

 重量は約14リブラ(約4.6㎏)ほどあり、57スクリブルム(約65g)の鉛玉を黒色火薬または褐色火薬で発射する。 

 火打ち金フリンジは全体としては砲金製だが、火打石フリントが当たって火花を発生させる部分だけは交換可能な黄鉄鉱おうてっこう製のチップがはめ込まれている。バネは割と大き目な真鍮しんちゅう製。

 全長が短すぎて実用性に乏しいことから着剣装置(銃剣を取り付ける機能)は無い。


 開発に当たってはレーマ軍が使用する魔導大楯マギカ・スクトゥムの存在が考慮された。現時点ではレーマ軍しか配備していないが、いずれ同種の物を装備した敵と対することになるかもしれないと想定し、魔導大楯マギカ・スクトゥムを装備した戦列歩兵を撃破することを目的に開発されることとなった。

 レーマ軍の大楯スクトゥムは装備者の魔力を消費して飛んで来る銃・砲弾を減速させ、無力化する機能を有する魔道具マジック・アイテムである。この時、消費される魔力は経験的に飛んで来る銃・砲弾の重量にほぼ比例するらしいことが分かっていた。

 銃の威力は銃弾の質量と速度の2乗に比例する。このため銃弾の質量と速度をあげれば威力は増すが、その分反動も大きくなる。そこでなるべく大きく重い銃弾を浴びせ、魔導大楯マギカ・スクトゥムの装備者の魔力を消耗させることを目的とし、一発の銃弾サイズをなるべく大きくなるようにし、同時にドワーフやゴブリンといった小柄な種族でも扱えるサイズに抑えることを考慮して開発された。

 結果的に銃の全長が短く抑えられたうえ、口径も大きくなって散弾の使用が可能となったため、開発当初は予定になかったが騎兵用と歩兵用で共通化されることとなった。

 生産はレーマ本国、レーマ皇帝直轄の属州、あるいは公爵領でのみ独占的に行われている。


〇諸元

全長;約80㎝

重量;14リブラ(約4.6㎏)

口径:7/8インチ(22.5㎜)

銃身長:15.5~15.8インチ(398~406㎜)

弾丸径:7/8インチ(約22㎜)[一丸スラッグ弾]

    3/8インチ(約9.6㎜)[九粒散弾バックショット(1粒あたり)]

弾重量:57スクリブルム(約65g)[一丸スラッグ弾]

    4.5スクリブルム(約5g)[九粒散弾バックショット(1粒あたり)]

初速:300m/s以上

有効射程:26ピルム(48m)[一丸スラッグ弾、ポイントターゲット]

     80ピルム(148m)[一丸スラッグ弾、エリアターゲット]

装填方式:前装式マズル・ローダー

発火方式:燧発式フリントロック

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