なんちゃって契約士の逆転劇~契約の相手をようやく見つけたかと思ったらやばい奴だった~
棚からぼたもち
第1章 始まりの契約編
第1話 プロローグ
カクヨムのみで投稿する予定の小説です。
予定では19時~22時の間に投稿します。
1章までは書き終わっているので、私が忘れてない限りは毎日投稿する予定です。
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「どわぁっ!」
光っている門の中からニュッと姿を現し、飛び出してきた少年。
それを呆れた様子で1人の女性が見ていた。
「また、失敗ですか・・・」
少年はぜーぜ―と息を荒くして、四つん這いになっている。
少年が出てきた門の先にあるのはダンジョン。
ダンジョンとは、モンスターと呼ばれる化け物が徘徊する一種の別世界のことだ。
ただ、物語によくあるように、モンスターを倒したとしても、レベルアップして、自分が強化されるということはない。
ダンジョンを攻略するには、モンスターと契約をして、戦わせるのだ。
そのため、ダンジョンに挑戦できる資格を持つ者は、契約士と呼ばれていた。
「な・・・んで・・・俺、襲われるんですかね!?」
息が途切れつつも、そうやって叫ぶ少年。
少年が先程挑んでいたダンジョンは、契約ダンジョンと呼ばれ、余程の理由、例えば、余程相性が合わない、あるいはこちらから攻撃をしない限り、モンスターが契約士を襲わないという特殊なダンジョンだった。
だがしかし、今見ても分かる通り、少年は何もしていないにもかかわらず、モンスターに襲われていた。
「と言われましても・・・前調べたみたいですけど、原因不明だったんですよね?」
「そうですよ!これじゃあ、どうやって契約すればいいんですか!」
少年のフルネームは
現在高校1年生なのだが、今まで一度も契約に成功したことがない。
なぜなら、快人はどこの契約ダンジョンに入っても、なぜか、モンスターに襲われてしまうからであった。
「相性が悪いのでは・・・?」
「植物系も虫系も亜人系も魔獣系もアンデット系も全部ダメなんですよ・・・」
「・・・そういえば、そうでしたね。」
快人が会ったことがないモンスターと言えば、非常にレアな系列のモンスターだけである。
そもそも、そんなレアなモンスターがいる契約ダンジョンはほぼ存在しないので、そもそも会うことはあり得ないが。
「いったい俺が何をしたって言うんだ・・・」
「最弱ではありますが・・・スライムやホーンラビットとかはどうでしょう?」
ホーンラビットは角が生えただけのウサギ、スライムはまぁ有名なモンスターである。
モンスターはF、E、D、C、B、A、S、SS、SSSでランク分けされているのだが、ホーンラビットやスライムはFの中でも特に弱く、Gランクという位置づけをされている。
それに両方とも性格はおだやかである程度人懐っこく、契約ダンジョンでは通常のダンジョンでも、人を襲わないほどだ。
「スライムには手を溶かされましたし・・・ホーンラビットには手を噛まれました・・・」
「それは・・・不思議ですね。」
女性は哀れみの表情で快人のことを見る。
どんだけ、モンスターに嫌われているんだろう・・・と女性は思う。
「しかも聞いてくださいよ!さっき、デュラハンに会ったんですよ!」
「本当ですか!?」
デュラハンともなれば、Bランクのモンスターで滅多に出会うことがない。
ここの契約ダンジョンはアンデット系のモンスターが出るダンジョンなのでありえなくもなかったが、年に1体いるかどうかレベルの希少度だった。
「そしたら、襲いかかってきたんですよ!今、必死に逃げてきたんです!」
「待ってください・・・ということは、今、入口付近にいるってことですよね?」
「そりゃ・・・そうですけど・・・」
快人の返答を聞いた瞬間、女性はポケットから端末を出し、すぐに上司に連絡をした。
「こちら、4番契約ダンジョンです!入口付近にBランクモンスター・デュラハンの出現の情報あり!」
『なんだと!?ただちに、契約部隊を向かわせる!いったん4番契約ダンジョンは封鎖だ!』
「了解です!」
「あ、あの~?」
「あ、申し訳ございません。少しお待ちください。」
「は、はい。」
あれよあれよという間に、事態は進む。
1分も経たずに契約士の集団が快人達がいる場所へと現れ、ダンジョンへと入っていく。
10分ほど待つと、契約士の集団がぞろぞろとダンジョンから出てきて、去っていった。
女性は端末で誰かと連絡をとり、それが終わると端末をポケットの中に納める。
「申し訳ございませんでした。情報の提供をありがとうございます。情報料が出ておりますので、お帰りの際に、カウンターでお受け取りください。」
「あ、はい。」
帰るように促され、快人はダンジョンの転移門が存在する部屋から出ると、ホールに向かい、帰る際にカウンターに声をかけると、情報料として50万円ほどをもらえた。
(なんか、違う気がする・・・)
50万円は嬉しい快人だったが、どう考えても、契約士の稼ぎ方ではないので、少し落ち込む。
いつになったら、契約士として活動できるんだろう・・・と快人は肩を落としながら、家へと帰宅した。
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快人「50万は嬉しいんだけどなぁ・・・」
作者「私のバイト代と比べるとはるかに高いよ。」
快人「でも・・・契約士じゃなくてもできる形でのお金だよな・・・」
作者「文句言うんじゃない!」
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