命の音
「命の音」
遍く広がる 光の消滅した夜
過去も未来も 覆い尽くす
全てが消え 現在さえもが
霧散する
残るのは瓦礫の山 崩壊した世界
叫びと涙と懊悩が こだまする
銃声が鳴り響き 一斉に飛び立つカラス
彼らはどこから来たのか 羽音だけが夜に抗う
矮小な哺乳類 なす術もなく 恐れ慄く
瓦礫の中に燻る火が 愛撫の如く 肌を撫でる
火は闇に抗えず 漆黒に呑まれ
しかしそれでも 微かな温もりで 夜を包む
叫声と 絶望と 哄笑と 断末魔
人々の踊りに大地が揺れ 夜空の騒ぎが応える
カラスの飛翔は 止むことがない
彼らはどこへゆくのか 言葉の淵で
人々は踊り ただ踊る
あらゆる絶望がもたらす 静寂の中で
カラスだけが 抗い続ける
火をも忘れた 人々の踊り
夜明けさえもが霧散した
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