第8話 長く酷い悪夢の終わり
008 長く酷い悪夢の終わり
あまりにも
しかし、天堂 任の記憶がはっきりとあるため、それが真実であることは明らかだった。
俺は、いわゆる転生者ということか?
しかも、不親切な女神に転生させられたため、今まではエラーの状態だった。
だから俺は、いつまでたっても弱いままだった。
先ほどの声が確かなら、今はレベル相当の力を持ったことになる。
そして謎のスキルが発動したようだ。
スキル『カードプレイヤー』なんだ?
俺は確かに
しかもどのようなスキルなんだ。
そういえば、ドロー可能となっていたがどうすればいい?
「ドローしますか?」頭の中に声が聞こえてくる。
「何、なんだ」
「カードナビゲーターです」
「つまり、説明してくれるということか」
「ナビゲートします」
「では頼む」
「実戦形式で行う方が良いと思われます」
「え?」
「因みに、周囲からは一人言を言っているようにしか見えませんので注意してください」
「何!」
「あなたは現在、
まさかのナビゲーターからの
俺は、まだ意識を回復していないのだった。
身体の回復具合をカードナビゲーターに監視して貰いながら、スキルについて学んだ。
そして、いよいよ、実戦形式の演習以外のことについては、全てを終えた。
ほとんどに、ロックが掛かっており、条件をクリアしないと、教えられないとのことだった。
そして、ようやく先の戦闘で失われた、血液の再生が進み、意識が回復したのである。
「ジンさん、よかった無事で」
意識を回復した場所は治療院、俺はそこでほぼ死亡状態から回復したらしい。
ギルドの受付嬢のサラさんが心配そうな顔をしている。
この子は本当に誰にでもやさしいこである。
こんな俺にも気を配ってくれいたのであろう。
「サラさんが、此処の治療費を?」
おそらくかなりの金額が掛かった
「いえ、アンジェラさんが、アンジェラさんが気を失って、迷宮で倒れているのを発見して、此方に連れてきてくれたんです」
「アンジェラが」
かつて、冒険の初歩を教えた女性である。
残念なことに、すぐに俺の教えられることはなくなったのだが。
彼女はすでに金級冒険者になっていた。
金貨5枚は要ったことだろう。
ほとんど文なしの俺では払うことはできない大金である。
まあ、ほぼ死亡状態を金貨5枚で復活できるなら安いものだがな。
この世界では、人の命は軽い、羽毛のように軽いのだ。
以前の記憶が
アンジェラは俺を捨ておくこともできた。
しかし、多少の情はあったのであろうか。
それとも寝覚めが悪いから俺を助けてくれたのだろうか。
ありがとうアンジェラ。本当にありがとう。
そして、「此処からは、俺のターンだ。」
一度言ってみたかった。そう、一度言ってみたかった。
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