第60話 ぴえん・ぴえん・まる。
『!!』
大きな
「魔」の気配は完全に消え、
天使レピアの、完勝だった。
(――いや)
レピアが正面、たったひとかけら残った灰田愛の
そこに叩き付けられ、
「ッ! まだ生きて――」
「だいじょぶよ
レピアの背後から、彼女の
背中から放出されるわずかな魔力を光らせて、レピアが
「ッ俺を殺すと本当にお前は恋破れるぞッッ!!!!!!」
「――――」
――一瞬。
レピアがピシリと、確実に動きを止め。
その小さな小さな
「――――くそが」
「誰にも愛されることのない絶望をお前は知ったはずだろう!! だから
「くそが、くそが、くそが――お前、なんでこのタイミングで、この。バカなアタシ、」
〝レピア〟
ヨハインが
「ホントにそれでいいのか!!? お前は誰からも愛されないまま、この先も進んでいけるというのか!? 親にも好きな人にも――お前が愛した者達誰一人からも愛されないままたった
「ッッアタシはキューピッドで――!!!!」
〝いいんだよ。アンタたちのためになるなら〟
「――――っ――――」
〝ごめん。アタシまた――〟
「――いいわけ、ないでしょ」
「――――」
「――レピア」
聞こえない声で、
ヨハインがもはや笑みを隠さず、眼を見開いていく。
その目には、
「――――なんだ。それは」
「
苦しそうに辛そうに悲しそうに切なそうに、
「知ったよ。あんたのせいで、イヤというほど。お前っていう存在のつらみ――
「――やめろ」
「それが
「そんな目で、」
「
レピアが。
壊れ、もはやグリップしか残っていない
「俺に
赤き光がヨハインの手を
レピアはコチ、と
「! レピア――」
「アタシはもうビビらない。『好き』をヒヨらない」
背の光を、すべて手元に収束させ。
「
「
光の矢が。
ヨハインのハートを、まっすぐに
「――――――――」
「――とう、さん」
呼ばれた、気がして。
〝あんたはもう知ってるんじゃないの?〟
(……ああ。先の撃ち合いで負けたのは……
「――
――――
「……大したもんだ。わずかとはいえ、この夢魔王を
「……!!」
どこか満足げに、笑って。
夢魔王ヨハイン・リフュースは、完全に消滅した。
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