第20話 雛神・VS・笠木
「あんたも昔からそうだった。そうやって一切人を信じられずに、人の
「……黙れ。おい
「だからあんたも、いつも一人だった」
「おい黙れッッ!」
「今だってそうなんじゃないの? 他の生徒会の幹部達とは違って、あんたには
「・・・・・・・」
ぶるぶると腕を
「私は過去を背負って進む。力に
「脱げ」
笠木は表情のない顔で、淡々と風にスマートフォンを向ける。
「……笠木」
「自分を正当化できてよかったな、一生そうやって
「従う必要はねえぜ委員長。俺らも戦う」
「
「いっそ俺が代わりに脱いでやろうか、委員長? 野郎の裸で我慢しろや笠木」
「ありがとう。でもみんな下がってて」
そう言って、風はいっそ
『!!?』
「笠木が、今すぐにでも
「だ、だが
「いくら言葉や格好は操れても、この心だけは思い通りにさせない。私は、私の信念にかけて――――必ず
もはや勝敗は誰の目にも明らかだった。
しかしやはり風に脱がせるわけにはいかない、と夢生が顔を上げたとき、
今日二度目の銃声が、プールを越えて
『!!!!!!』
「――――風ちゃんッ!!!」
手で右のこめかみを押さえ、よろける風。
駆け寄る
夢生の視界で、笠木が、笑った。
「自分だけキレイになったと
「――――――――お前は、」
「お前だけは……絶対に許さないッ……!!!」
「……はいはい。つよいつよい」
「!――――――ッ!?」
ゆっくりと夢生に銃口を向けていく笠木。
ひどく目を見開いた夢生。
「その意気よッ、むーっ!!!」
『!!!』
ベシャリ、と白目をむいたヤクザたちがプールサイドに放り出される。
夢生に銃口を向けようとしていた笠木が出入り口を振り向き、舌打ちする。
「あの女……あの
「あーくそ手間取った! ごめん
「……ええ。避けたからかすっただけ」
「
「……いい下着なのすぐ見抜くのやめて。悪いけど今は下がって――」
「大丈夫。
「え――」
「ハッ――
夢生はそれを見て、
「言ったっしょ。うちのむーはやるときゃやるって」
「何がやるときゃやるだ? このザマ見てみろッ! 何もできやしね――」
「――
軽口を叩き、油断しきった笠木に
『!!?』
「な――テメっ、」
銃声が夢生の横を抜ける。
少年と副会長は取っ組み合ったまま、
「お前は――――こいつだけは僕がブッ飛ばすッ!!」
プールへと、落下した。
「――――
「えっ、ァ――――ぎゃアっ!?!」
「――動かない理由は消えました。力を貸してくださいッ、先輩方!」
『応ッッ!!』
乱戦が、ようやく幕を開けた。
「(このガキ――どうやって手の
慌てて水上に顔を出す笠木。
「ッ
――銃を持つ右手の指に全力で
「――ッッバカ野郎があああああああああああッ!!!?」
引きはがそうと左手を夢生の頭に伸ばした瞬間、視界が夢生の手に
「っかぁッ!」
離れる夢生と笠木。
顔の前で、赤くえぐれ流血した右手の人差し指を震わせながら――――ひっかかれ赤くミミズ
「テメェ――テメェテメェテメェっッっ、何したか分かってんのかァッ!!!!?」
「ふぅッ――――ふぅうッッ!!!」
「――上等だよッッ、」
笠木が銃とスタンガンを捨てる。
「殺してやる……ケンカと殺し合いの違い
「あああぁあああああ――――ッッ!!!」
互いに飛びかかる二人。
既に冷静さなど失っている夢生が――――プールに
「!!」
その夢生を追いかけ、水中に叩き込まれた笠木の拳が――あっという間に
「(クソ――水の中じゃ
笠木絶叫。
水中に深くもぐりこんだ夢生が
「ガッ……キがァァァァアアッッ!!!」
互いに限界。
離れ、夢生が水上に出る。
頭を笠木につかまれ、爪が食い込んだ
「クソッ――クソガキがクソガキがッッ!! キメェことばっかしやがって――!」
「これケンカじゃないだよ?」
「――!」
「教えてくれるんじゃないの――――ケンカと殺し合いの違いをっ!」
「こッッ――」
笠木の頭に、血が昇りきる。
「殺すッッッ!!!!!!!」
「やってみろッッッッ!!!!」
ただ怒りに支配された二人が、
ただ相手を叩きのめすためだけに、
ただ、
「むーくん……!!」
「あんなキレてるむー初めて見た」
「!」
敵に囲まれた風とレピアが背を合わせる。
「助けんな? そんでよく見てな――――あいつは今、紀澄風のために戦ってるんだから」
「――――」
激しい水音が、
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なので完結前でもエンリョせず。
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