第91話 余韻
【ザ・パーフェクト】 佐藤直史専用スレ part1024 【大サトー】
204 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
試合中でもそこそこ書き込みあるなあ
205 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
実況板行け
206 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
いやもう終わりだしですしおすし
207 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
しかし見応えのある試合と言うか、とんでもない試合になったなあ
208 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
延長12回30奪三振で負けるという奇跡の現象に激しくワロス……ワロス……
209 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
なんだか超めんどいものを見てしまった気がする
210 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
なぜw すげー試合になったじゃないか
こんな試合見たことねーZE!
211 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
>>210
上杉VS大サトー 怒りのアフガン
212 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
なぜランボーw
まあ上杉との対決は、マジで頭のおかしすぎる試合だったけど
213 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
あれはでも今回に比べれば、お互いのチームのバッターのレベルが低かったから
214 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
小サトー可哀想なり。
奪三振世界記録に及ばず。
215 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
世界記録?
上杉の26奪三振じゃねえの?
216 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
それはフルイニングでの記録
世界記録はNPB時代の12回延長戦で記録した31個だね
もちろん達成者は上杉で、対戦相手は大サトー
両者ランナー一人も出さない引き分け試合で、真なるパーフェクトの試合とか言われているのに、二人とも参考パーフェクトという
上でも書かれてるんだ
217 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
パーフェクト・オブ・パーフェクツ?
218 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
不思議な話だな。
二人とも完全試合を達成することで、完全試合を二人とも逃すなんて。
219 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
まあ、今後どんなピッチャーが出てきても、あの試合の再現は出来んよ
100年に一人のピッチャーが二人同時にいないと
あれだけは野球史に永遠に残る試合
ローカル記録とか言われたとしても上杉と大サトーの対決って言われたらMLBでもなんも言えん
220 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
>>208
今更だが小サトーにも負け星はついてないぞ
……メトロズは負けそうだが
221 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ホームラン一発か
MLBはその辺大味よな
222 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
あら、ほんとにいつの間に
ドヤ顔で回ってるw
白石が二本もヒット打ってそれ以外もヒット性の当たりだったのに負けるメトロズ
223 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
大サトーはバッターの打たせる方向さえ操れるからな
224 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
冗談になってないのがわろす
225 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
フライは出来るだけ打たせないようにしてる(キリッ
だっけ? そんなの出来るのお前ぐらいだ
226 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
いや、それはさすがにグラウンドボールピッチャーとフライボールピッチャーがいることだし
227 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
実際のところ今日は白石、ヒット四本でもおかしくなかったな
単打と二塁打一つずつに、それに加えて大飛球とセンターライナー
228 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ホームラン以外はピッチャーの勝ちですから~
229 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
三振以外はピッチャーの勝ちではありません~
230 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
一応見逃し三振取って、ホームラン打たれてない大サトーの勝利でいい?
231 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
そりゃ今日は試合も勝ったし、勝利でいいと思うぞ
ただ次の試合でどうなるかは分からんぐらい、実力差はもうなかったと思う
232 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
元からそんな実力差なんてなかったと思うけどな
二年前のエキシビションの時点はまだしも
あれも一度だけの試合だったから、あんな真似が出来たとも言えるし
233 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
なんかナオフミストの集まりにしては悲観的なやつ多いな
234 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
もう訓練されたナオフミストばかりじゃない
MLBで活躍してからさらに新聞とかテレビの取り上げ多いしな
235 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
相変わらず日本のマスコミには塩対応だけどな
236 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
アメリカの方もけっこうな。
お、インタビュー始まった
237 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
これはもう実況じゃなくていいのかな?
眠そうw
238 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
現地時間何時か知らんが、試合時間そこそこ長くなったからな
239 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
試合時間は13回までやった割にはそんなに長くないぞ
どちらもピッチャーのテンポよかったし
240 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
13回って日本ではやらんよなあ
普通は12回で交代させるやろ
241 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
いや大サトーは最後の甲子園でね
15回投げてるからね
242 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
あいつの何が体力不足なんやwww
243 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
一試合の体力とシーズンを戦う体力は違うんだろ
まあ俺も体力不足とは思わん
イニング数とか数えたら、明らかにNPB時代もトップだったし
244 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
一年目は上杉の方が上だったけど二年目はな
中四日で投げてたし、ひょっとしてまだまだ限界は先にあるの?
245 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
空前絶後の大投手だからそのへんはもう分からんということで
246 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
メトロズの方は休ませるって言ってるな
小サトー今日も負け星つかずか
247 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
兄弟で両リーグのサイ・ヤング賞はあるかもしれんな
248 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
前にもあったけどな
兄弟同時受賞がないだけで
249 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
上杉兄弟に海を渡ってほしい
250 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
いや兄はともかく弟は、さすがにそこまでの器ではないやろ
~~~
果たしてこのアナハイムとメトロズの対決、本当に勝ったのはどちらであるのか。
そんなことを問いかける者もいるが、事実としてはメトロズの二勝一敗なのは間違いない。
レギュラーシーズンのインターリーグで、当たるのはこの三試合のみ。
もちろんレギュラーシーズンの結果から、ポストシーズンを占うのは、難しいとは分かっている。
ただそれでもという話なら、大介はアナハイムの勝ちと適当に答えるだろう。
重要なのはそんなところではない。
あと一歩だとは思うのだ。
あと一歩と思うのだが、その一歩が果てしなく遠い。
わずか一歩の違いで、試合の勝敗が決まる。
12回まで武史が投げて、無失点に抑えたのだ。
間違いなくこの敗戦は、打線陣の問題だ。
相手が直史だからとか、そんなことは言わない。
直史が相手であれば負けても仕方ないなど、それがどれだけおかしなことか、いい加減に誰もが感覚は麻痺してきている。
13回までの延長戦にもかかわらず、両投手がぽんぽんと投げていっただけに、それほど長い試合ともならなかった。
ただここまでの延長戦というのは、MLBでもなかなかないことだ。
NPBでは12回引き分けだったし、それぐらいならMLBも逆輸入していいと思う。
いっそのこと延長戦は、丸々なくしてもいいのではないか。
もっともそれをすると、色々な記録を更新するのが、難しくなってしまうが。
記録と言えば武史は、MLBの一試合の記録を更新した。
もちろん九イニングの記録は、別に残っているわけだが。
しかし世界に視線を広げれば、日本の31奪三振がある。
上杉が延長戦を投げていたら、それ以上になっていてもおかしくはない。
なにしろ上杉は、15回まで投げても充分な、武史以上のスタミナを誇っているのだから。
インタビューを受けた大介はマンションに帰ってきたが、子供たちはもうすっかり眠ってしまっている。
お腹が重い桜も、それを寝かしつけて、そのまま一緒に寝てしまったようだ。
だが椿は試合を記録し、おまけに一通りの分析までもしてしまっている。
そして出した結論は大介と同じ。
「あと一歩だったね」
これである。
あと一歩、これは何が違うのか。
足りないのか、それとも足りていてずれているだけなのか。
あるいは単に運が悪いのか、とさえ思えてくる。
実際に今日の五打席は、一打席目を除けばアウトになったのも全てヒット性の当たり。
だが明確に言えることは一つある。
確率的に言うならば、何試合か戦えば、かならず一度は勝てるであろうということだ。
大介にシュミット、そしてペレスにシュレンプ。
これらを相手に直史は投げたが、かなりフライアウトも多くなっている。
グラウンドボールピッチャーの直史が、そこまでのことをしていたのだ。
フライもゴロも打たせるというあたり、本当にとんでもないピッチャーではあるが。
それに椿はさらに深く分析した。
おそらくワールドシリーズで当たれば、メトロズが勝てると。
去年の最終戦にしろ、最後に直史は故障して、ベンチに下がることになった。
普通に考えれば、ワールドシリーズ三戦に先発するなど、無理があると分かっているのだ。
NPB時代の日本シリーズが、それを知る人間の記憶に残っているだけで。
とにかく現時点では、メトロズの方が勝率でも上回っている。
ただし今日の試合、お互いの打線がほぼ封じられて、その影響が明日以降にどう出るか。
メトロズは一日を休みに使い、サンディエゴをホームに迎える。
ナ・リーグ西地区のサンディエゴとは、今年は最初の対決となる。
去年は地区三位でポストシーズン進出を逃したサンディエゴ。
だがナ・リーグ西地区はア・リーグ東地区と並んで、今年の激戦区となっている。
去年はポストシーズンに進出した、トローリーズとサンフランシスコ。
これにサンディエゴが加わって、三つ巴の対決となっているのだ。
コロラドとアリゾナが大きく負け越しているが、この三チームで星を取り合っている。
そんなところでメトロズと対戦するのだから、なかなか苦心しているのかもしれないが。
ともあれメトロズにとっての前半戦、最大の山場は過ぎたと言える。
あとはここまでに対戦のない、他地区のチームとの試合。
出来るだけ勝って行って、今年も去年の勝ち星を抜くぐらいには勝ってしまいたい。
今のところはそれぐらいに、圧倒的に勝っているのだ。
試合の翌日の武史は、体のあちこちがバキバキになっていた。
やはり終盤、ボールの球威だけに頼って、無理に投げたのが悪かったのだろう。
調整の意味も含めて、一度負傷者リストに入って、休んでもらうことになる。
さすがに185球も投げた後なので、休ませても当然だと周囲は一致する。
実際に武史自身も、指先の感覚が微妙になっているのには気づいていた。
武史は間違いなくパワーピッチャーであるが、同時に繊細な部分もある。
どこがだ、と言われるかもしれないが、それはコントロールなどにはっきりと出ている。
それにアナハイムのメンバーも、12回には気づいていた。
フォアボールを出したのも確かだが、伸びがなくなってきていたのだ。
握りだけでどうにかなるツーシームなどと違い、普通のフォーシームさえ、武史は最後のタッチを意識している。
ボールにバックスピンをかけるのは、高校時代からずっと続けていたことだ。
全身の筋肉を上手く連動させ、体格の限界に近いスピードボールを投げる。
水泳の素養で間接などが柔らかくなければ、あっという間に故障していただろう。
実際に初めての甲子園で、全身筋肉痛になっている。
試合も行われないこの日、武史は完全にオフである。
シーズンオフ以外はほとんどが試合か、移動で家に丸一日いることは少ない武史。
子供たちで遊ぶかと思っていると、息子がバットを買ってほしいと言ってくる。
なんでも昨日の試合を見て、野球に目覚めたらしい。
ただそれで、どうしてピッチャーではなくバッターなのかと言うと、直史や武史と対戦するなら、ピッチャーではなくバッターであろうと、そういう思考回路なのだとか。
大介に憧れた、とかそういうものではないらしい。
ただ同じチームになった大介が、ポンポンとホームランを打つのは見ている。
昨日の試合までで、打ったホームランの数は20本。
去年に比べれば遅いペースだが、両リーグを合わせてもトップの数字である。
シーズンのホームラン記録は、薬物を使わない限りは、おそらく60本に届かないあたりが人間の限界。
それがほぼ定説であったが、大介の存在がそれを覆した。
ただ確かに大介はドーピングをしていないが、体質が元々特異なものである。
そおから発揮されるパフォーマンスと、一緒にされれば他の選手が可哀想であるが。
今年は当たらないので関係ないが、ア・リーグ中地区のバッターに、かなりとんでもない新人が現れている。
ほぼ四割の打率に、ホームランでもリーグトップという、現時点での二冠王。
ただどちらも全く大介に及ぶものではない。
しかしこの情報を聞いていて武史が思ったのは、なんでこいつはこんなに、勝負してもらえるのかというものだ。
それに映像を見てみれば、小柄な大介よりも、ストライクゾーンが小さいように見える。
「イケメンだからか?」
武史はそんなことを思ったが、恵美理はアメリカという国家に対する理解が、武史よりも深い。
「これは多分、人種的なものね」
頭の上に?マークを出す武史だが、これは案外根深いものだ。
アメリカという国家は多民族国家であり、大差別国家でもある。
差別に反対などという主張は普通に行われているが、今度はそれに対して逆差別が発生する。
そしてまたカウンターがあって、アメリカでも特に都市部は、なかなか難しい社会であるのだ。
「彼はWASPだから」
「ワスプ?」
「ホワイト、アングロサクソン、プロテスタントを略したもので、長らくアメリカの支配者層だった人種、民族、宗教のことね」
なんのこっちゃの武史である。
武史は直感的な人間であり、そしてその直感が鋭い人間である。
周囲に流されているはずが、なぜか一番いい選択をしている。
アメリカの治安などについては、もちろん事前に知っていた。
だがその社会構造などは、全く興味がない。
だが恵美理はイリヤが殺されたのは、彼女が東洋系の血が混じっていたことも、関係していると思っている。
それにこの数年の、MLBでの日本人の活躍。
東洋系のアメリカ人の問題は、もうかなり長く問題にはなっている。
海を渡ってきたスーパーマンは、日本人なのでまだしも受け止められ方はマシだ。
だが年配の人間の中には、バブル期の日本の経済力に、猛烈なコンプレックスと恐れを抱き、そのまま年を重ねた人間がいる。
なんでそんなものがあるのかと、武史は不思議に思う。
だがそれを不思議に思うのは、武史がそういった問題に触れることもなかった、幸福な人間であったからだ。
田舎の次男坊で、家を継ぐこともない。
高校時代は地元の英雄で、大学にもスムーズに進学。
そこでの生活も、兄たちが地ならししてくれていたおかげで、さほど苦労をしていない。
そしてプロ入り後も結婚のため、すぐに寮を出ている。
恵美理はその色素の薄い髪や、生活習慣の微妙な違いから、そういったものにはある程度の知識がある。
そして知識だけではなく、実感もある。
幼少期にはヨーロッパよりはむしろアメリカで、自分が日系の血であることから、差別的な扱いを受けたこともあった。
多民族のはずのアメリカの方が、むしろそういうものは激しい。
もっともヨーロッパでも、国によってそういったものは全く違う。
恵美理の馴染み深いイギリスでも、宗教問題とアイルランド問題、あとは出身地域の差などは、それなりの問題になっていた。
日本はやはり、新興宗教のカルトを除けば、宗教の問題がほぼないのが大きい。
聞かされた武史としては、なんでそんなに複雑に考えるのか、といったところである。
日本人はかなり特別な民族なのだ。
普通の外国人は、外国に行けば自分が外国人だと思う。
しかし日本に行けば、自分が日本人ではないと思うらしい。
この差は微妙だが、大きいものかもしれない。
国民の99%が黒髪黒目で、最も多い他国人である半島人についても、また中国人やベトナム人であっても、容姿の差があまりない。
そして他国の文化を、自国の文化で吸収してしまう。
日本というベースが、全てを変質させるのだ。
伝統や階級のやかましいイギリスを知っている恵美理には、慣れてはいるがやはり特別だと、そう感じるらしい。
「じゃあ今日はお買い物ついでに、ニューヨークを回りましょう」
恵美理の提案に、特に躊躇もなく頷く武史。
彼がその人生で、果たしてつまづくことがあるのか。
それはまだ、誰も知らない未来の話である。
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