第75話 破壊王

 地区優勝は無理にしても、ポストシーズンの進出とそこでの健闘を、アトランタは狙っていた。

 だがこの開幕戦、まさかパーフェクトをされるとは。

 前年の上杉を思わせるパワーピッチングであったが、それよりもさらに躍動的と言おうか。

 武史としたアトランタのバッターは、そのムービング系のボールをダンシングと言った。

 ダンシング・ムーヴという、ちょっとかっこよさげな呼ばれ方をする武史のムービングであったが、本人としては少し恥ずかしい。

 息子が「ダンシング・ムーヴ!」などと叫びながらお尻をふりふりしていれば、まさにその叫びから耳をふさぐべく、ムンクの例の絵画のような顔になってしまったものである。

 どうでもいい雑学であるが、あの絵は叫んでいるのではなく、叫びから耳をふさいでいるものだ。


 とにかく開幕戦のダメージが大きかったのは確かである。

 どうにか二戦目以降を立て直そうとしたが、それを許さないのがメトロズの打力である。

 一番大介というのが上手くハマって、初回に先取点を取ってしまう。

 先発が立ち直りかけたら、今度は大介の二打席目が回ってくる。

 下手をすればそこで、ホームランが一発だ。


 開幕三試合で、既に二本目。

 かなり勝負を避けられているのに、こんな感じである。

 三連戦のカードでヒットを三本打って、そしてもうフォアボールが五つ。

 今年も200個以上のフォアボールで歩かされてしまうのか。

 ただ去年と比べると、やや盗塁の数は少なくしている。

 二番にシュミットがいることで、無理な進塁は必要でなくなっているのだ。


 ジュニア、ウィッツとそこそこ強い先発が続いたため、メトロズの打力を上回ることが出来ない。

 かくして開幕カードはメトロズが三連勝。

 西海岸でアナハイムが四連勝しているのを考えると、今年も覇を競うのはこの二チームか、と思わせるものだ。

 さすがにまだ最初のカードだけで、それを判断するのは早すぎる。

 しかし去年のワールドシリーズのような、格別にひりひりした試合を、ファンは待ち望んでいる。

 あれぐらいはっきりと勝敗が分かりやすいと、新しいファンまでも引き入れてくれるので、MLBとしてもありがたい。


 アナハイムとメトロズに目は行くだろうが、他にも今年が飛躍の年のチームはある。

 二つのコンテンダーを中心に、他の地区を制する新勢力が登場すれば、全米が盛り上がってくる。

 MLBとしては本当なら、今年も中地区と東西のチームが対戦してくれれば、それで盛り上がってくれたと思うのだ。

 しかしコンピューターは、そんなに都合がいいものではない。

 それに数年単位でカードは考えられているので、ここで手を加えれば不公平になる。


 


 二つ目のカードはまたもフランチャイズでマイアミとの試合となる。

 ここしばらく地区最下位を走っているマイアミは、今年も充分な戦力の補強は出来ていない。

 もう若手選手を育てて高く売るという、選手ビジネスが成立してしまっているのだ。

 MLB自体の市場を維持するために、弱いチームも必要としている。

 そしてそんな弱いチームにも、スター選手が生まれるようなシステムになっている。

 FA権を取得したら、どんな選手も出て行ってしまう。そんなチームが今のマイアミで、それを改革しようという意識はフロントにはない。

 弱くて勝てなくても、収益を上げることは出来る。

 そういうシステムがいいと言えるのか、かなり微妙なところはあると思う。


 ここの三連戦は、オットー、スタントン、そして武史というローテ。

 中五日のローテがどうなるのか、武史にとっての試金石となるだろう。

 だがとりあえず、大介は目の前の試合に全力を尽くすだけである。


 アトランタとの試合はメトロズがあまりに圧勝したため、相手のピッチャーも逆に試合の勝敗とは関係なく、大介と勝負してきてくれた。

 それでも三試合で五回のフォアボール、うち四回が敬遠であったが。

 0.555の打率と七割越えの出塁率は、最初のカードだからということを考えても特別だ。

 一番大介の打順が、上手く機能していると言えよう。

 

 マイアミの選手たちは、チームが優勝できるなどとは欠片も思っていない。

 だが自分の価値を高めるため、個人成績にはこだわる。

 そして初回、打たれてもソロだ、と考えて大介と勝負したりする。

 基本的には出塁を重視する大介だが、真っ向勝負してくれれば話は別だ。

 内角を厳しく攻めてきたストレートを、そのまま右方向に打ってしまう。

 反発力の高い、ストレート。

 ややフライ性のボールは珍しいな、と思ったファンもいたかもしれないが、これはライナー性の打球の勢いで、フライの軌道を飛んでいる。

 そして最上段の看板に激突する。

 ピッチャーのプライドを葬り去るホームランだ。


 ポンポンとメトロズが点を追加していき、そしてマイアミはチャンスを潰す。

 その試合の様子を見ていて、どうにも雑だなと武史は思った。

 去年からそこそこMLBの試合を見ていて思ったのだが、全体的に大味なのだ。

 日本ならばもっと、確実に点を取っていく場面が多い。

「それに関しては仕方のないところもある」

 大介はそこあたり、かなり辛らつな見方をしている。

「アメリカ人の観戦者は、おそらくレベルが低いこともあるし、選手の評価されるべきポイントと、華のあるプレイが全く別だったりするんだ」

 そういう大介自身は、華のあるプレイばかりをしているわけだが。


 日本の野球ファンは、送りバントやスクイズなど、そういう地味な仕事が好きである。

 自己犠牲によってチームに貢献しているのを見ていると、選手が己の分を弁えているようで、好感を抱くのだ。

 もちろん打てるバッターも偉いことは偉いが、大介がなぜあそこまで人気が出たのかは、三冠王を圧倒的な数字で取ったこともあるが、とにかく三振が少なかったからだろう。

 フルスイングが信条で、長打を打つが三振も多いバッターは、身の程知らずと思われてしまうのだ。

 日本人の同調圧力が、控えめな選手を好んでしまう。

 ……まあライガースファンなどは、無茶苦茶な人間も多いのでチームによるが。


 大介は確実に打率を稼ぎ、そしてホームランも打った。

 全く欠点がないというのも、逆に嫌味であったりもする。

 そんな大介であっても、野次に怒鳴り返すことはあったりした。

 チビと呼ばれたときに「それは俺のせいじゃねえだろ!」と叫び返したもので、しごくもっともなものである。

 その後に「俺は背は小さいけど器とチ○コはでけえんだよ!」と言ってしまったのは完全な放送事故だが。


 意外なほど自由な割りに問題行動の少なかった大介が、唯一厳重注意を受けたものだ。

 もっとも注意はされたが、罰金などのペナルティは一切なかった。

 監督を含む全員が大介を擁護し、そして彼が何も嘘はついていないと証言したからである。

 さすがのツインズも、この事件だけは恥ずかしがっていた。大介との関係を公開したいと思わなかった理由の一つである。

 もしも彼女たちに、あれは本当のことですか、などと下世話なマスコミが聞いたりしたら、事件にならない程度に追い詰められた人間が出ていたであろう。


 マイアミとの第一線は、9-3で圧倒的にメトロズが勝利した。

 ここまでメトロズの打線は、開幕を5点、そこから6点、8点とどんどん得点が多くなってきている。

 さすがにこれがいつまでも続くとは思わないが、全体的に去年よりさらに平均得点が高く、平均失点が低い。

 殴り合いで勝利していたものが、より先に一方的に殴って、反撃の気力を失わせている。

 もっともマイアミが逆にいいところは、試合に負けようと自分の成績は残そうというところだろう。

 なのでなかなか、チームとして完全に負けたという雰囲気にはならない。




 第二戦、メトロズの先発はスタントン。

 去年は27試合に先発し21勝6敗と、全ての試合に勝敗がついたという珍しい記録を持っている。

 21勝もしたのはすごいと思われるだろうし、実際にすごい。

 ただ先発の主力四人の中では、これでも勝率は一番低かった。


 とにかくメトロズは圧倒的な打力にものを言わせて、レギュラーシーズンを勝ち進んでいったのだ。

 だがそれでは、ポストシーズンを最後まで勝ち抜くのは難しい。

 去年のアナハイムは、ワールドシリーズまでのポストシーズンは、2カードともスウィープで勝利していた。

 対するメトロズは最初のサンフランシスコ相手には三連勝したものの、トローリーズとのリーグチャンピオンシップ決定戦では、四勝二敗とわずかに苦戦した。

 相手の本多が頑張ったから、という見方も出来るが、負けたのは共にスタントン。

 スタントンはワールドシリーズでも一度先発し、それも負けていた。

 もっとも去年のワールドシリーズは、直史が三完封、上杉が一完封という、異常なシリーズでもあったのだが。


 ポストシーズンでスタントンは、評価を落とした。

 防御率などもそもそもあまりよくなく、今年でまだ26歳のシーズンだが、順調にいけば二年後に手に入るFA権でも、あまりいい契約が取れないかもしれない。

 だからこそ今年はスプリングトレーニングから、頑張ってアピールはしてきた。

 結果ローテの一角を守り、こうやって五人目のローテとして投げることが出来ている。


 もっとも今年のメトロズは、スーパーエースが誕生してしまった。

 初先発で開幕戦を任され、そしてパーフェクトなど、直史でもやっていない。

 直史も初先発でパーフェクトはしているのだが。

 あの技巧の極みに達したピッチャーを見ていても、だけど球なら自分の方が速い、と強がることが出来た。

 だが武史のスピードには、誰もかなわないだろう。


 武史の加入はベテランのウィッツ、伸び盛りのジュニアにもいい影響を与えている。

 本人が全く争う気がないのが、首脳陣からみても異質な点だが。

 大介も言ったが、武史は誰かと競おうというつもりがほとんどない。

 自分と同じ年齢で、兄と互角に投げ合った真田だけには、少し対抗心を持っていたようだが。

 上杉や直史は自分より上。

 そしてそれ以外はどうでもいい。

 下の世代から蓮池などが出てきていた時も、全く意識などしていなかった。

 そもそも蓮池は、プロ入り自体は高卒のため、武史よりも早かったこともある。


 誰かに後ろから追いかけられているという意識も、一緒に競っている意識も、そして前に追いつこうという意識もない。

 ようするにハングリー精神がないのだが、それでも才能とスペックだけで通用してしまう。

 野球に対する比重を考えれば、大介よりもその才能は巨大なのかもしれないと、その大介自身が思う。

 とんでもない力の塊であるが、それには全く意思はない。

 太陽のような存在であると言うよりは、熱量を発していないため、木星のような存在と言うべきかもしれない。




 負けてたまるかという意思は、スタントンを好投させる。

 ならば大介も協力してやりたいのだが、ここまでの五試合で頑張りすぎた。

 マイアミのピッチャーは、打たれるよりもマシだと、ようやくボール球ばかりで勝負するようになる。

 もっとも一番打者の大介にとっては、それでも都合がいいのだが。


 今年のシーズンが終わればFA予定のシュミットは、怪我をしないことと、安定した成績を残すことに、かなり慎重になっている。

 ペレスも今年が契約最終年で、シュレンプも一年契約。

 だからこそ逆にこの二人は、シュミットよりは積極的だ。

 大介が歩かされて、シュミットもしっかりと出塁を狙う。

 その状況で打席が回ってくれば、積極的に打つのが当たり前である。


 三塁まで進めれば、内野ゴロでも外野フライでも、ホームに帰るだけの自信が大介にはある。

 そして実際にホームを踏んでしまう。

 去年も明らかであったが、今年はより偏って、打点よりも得点が多い。

 そのくせホームランなどの長打も打つのだから、もう止めようがない。

 高校時代からの三番と言うのは、確かにあの舞台では良かったのだろう。

 だが一番バッターになってからの大介は、完全に自由に動けるようになっている。


 今の大介とは対戦したくないな、と武史は感じる。

 直史と対決するのは構わない。

 なぜなら投げあいというのは、対決のようでいて対決ではない。

 お互いのチームの打撃力の差が、援護の差となってくる。

 対して直史は、本当に大介と対決しなければいけない。


 直史は大介との勝負を、避けることが出来ない。

 二人は対決することが、義務付けられているのだ。

 だが実はその時点で、直史にはハンデが加えられていると言ってもいいかもしれない。

 もっともバッターは三割打てれば一流という考えなら、なかなかあの二人の勝負も、勝者を判定するのは難しいだろうが。


 野球における勝敗というのは、あくまでもチーム戦である。

 その意識が直史に、そして武史にも根付いたのは、高校時代の経験が大きい。

 ジンの野球観が、二人に影響を与えている。

 勝負に負けても試合に勝てばいいのだ。

 それに納得しきれなかったのか、直史は勝負をしても、確実に勝てるような力を手にいれたが。


 結局のところ野球には、本当の勝敗などはないのだとも思う。

 たとえ負けたとしても、その試合が語り継がれるような名勝負となったら、その時点で両方が勝者なのだ。

 それでも勝敗をつけるとしたら、それは両者の納得におけるものでしかない。

 去年の勝負は、試合にも勝った直史が、勝ったと言っていいだろう。

 ただその差は本当に、わずかなものとなっている。


 今年のアナハイムはアレクと樋口という、かつて武史とはチームメイトだった主力が、一番と二番を打っている。

 あの二人を止めないと、メトロズがアナハイムに勝つことはない。

 正直な話、高校時代のアレクは味方としては、鬼塚よりも頼りになる選手であった。

 そして樋口は大学時代、自分の力をより引き出してくれたキャッチャー。

 そんな二人を抑えるというのは、なかなか難しいものだろう。

 だがそこに、ジンの思考が介在すれば、どうにか抑えられなくはない。

 今年のスケジュールでアナハイムと対戦があるのは、五月の中旬。

 それまでの時間をどう過ごすのか、武史は考える。




 マイアミとの第二戦、スタントンは奮闘した。

 ここまでチームが勝ってきて、自分が負けるということは、メジャーリーガーとしてのプライドが許さなかったのだろう。

 プライドだけでどうにかなるなら、メジャーリーガーは楽なものだが、坂本が上手くリードした。

 何がなんでも点を取られたくないというピッチャーは、坂本にとってそれなりに扱いやすいものだ。

 七回までを無失点に抑えて、リリーフにつなぐことに成功する。

 

 五点以上の差がついているメトロズは、かなりの楽が出来る。

 ピッチャーも無理に勝ちパターンのリリーフを使う必要はない。

 ただ今年でウィッツの契約が切れることを考えると、次のローテピッチャーも育てていかないといけない。

 マイナーでいい結果を出しているピッチャーを、メジャーの舞台で使う。

 見事にそれは成功している。


 ただこの五戦目で、大介は連続安打がストップした。

 たったの二打席しか勝負してもらえなかったのだから、それも仕方がないとは言える。

 その二打数の凡退も、逃げ気味のボールを無理に打ったことによるもの。

 開幕五試合で既に10四球。

 しかも七つが申告敬遠だ。


 大介の打席は誰もが分かる、徹底的に派手なものである。

 これを見せない試合などというのは、MLBとしてもどうにか抑制しないといけない。

 オフシーズンにも話された議題だが、今年もこうまで露骨に勝負を避けてくるのか。 

 力と力の勝負のはずのMLBが、NPB時代よりもはるかに上の成績で蹂躙されている。

 新しいスターピッチャーが、アメリカのリーグから出てこないといけない。

 全世界からスターを集めているはずが、まともに大介を抑えられるのが、直史だけ。

 もちろん他にもそれなりに抑えているピッチャーはいるのだが、全打席正面から対決しているのは、本当に直史だけになりつつある。


 MLBのピッチャーは、大介を怖がりすぎているのだ。

 NPBのピッチャーの方が、大介を抑えている。

 そんなことは、単純に平均球速などから考えても、おかしなことであるはずだ。

 だが何をもって、大介との勝負がしやすいようにするべきか。

 敬遠することをやはり制限するべきなのか。

 せめてこのシーズン以内に、その指針を立てるべき条件が揃ってほしいものである。




 マイアミとの第三戦は、中五日で武史の登板となる。

 佐藤兄弟がいかに非常識であるのか、全世界の野球人が理解してきた。

 武史としては別に疲れもなく、普通に投げられると思う。

 心配があるとすれば、本当にその日、微妙な調子の悪さがあるかどうか。


 なおこのMLB登板二試合目は、恵美理はスタジアムには来ない。

 マンションで子供たちと一緒に観戦の予定である。

 シッターにお願いはしていたものの、そろそろ物心がついてくる長男は、母親と一緒に父親の活躍を応援したいらしい。

 そう言われれば武史としても、仕方がないかなとは思えるのだ。


 武史は健全な独占欲を持っているため、実の子供であろうと、妻のおっぱいを吸った男には嫉妬する。

 さすがに虐待などはしないし、むしろ可愛がっているのだが、ここは父親の偉大さを見せてやろう、という考えがある。

 また大介が言うには、マイアミはチームとしては強くはないが、選手たちは逆に貪欲に結果を求める。

 それだけにたまたまの一発などは、武史であってもあるかもしれないと。


 先発ピッチャーである武史は、去年の上杉が達成したような、無失点シーズンが出来るとは思っていない。

 NPB時代から普通に、それなりに点は取られているのだ。

 もっとも六年で既に120勝には到達。

 打線の援護がある分、上杉よりも勝率は良かったりする。


 マンションで恵美理と子供たちに見送られ、職場であるスタジアムに向かう。

 日本にいた頃も直史と比べると贅沢をしていた武史は、自分でも車を買おうかなと考えたりしている。

 実際にニューヨークでは車を持っているということは、それだけ犯罪に遭いにくいことになる。

 大都市であるだけに、同じニューヨークでも治安に差はあるが、その治安のいいはずの場所でイリヤは死んだのだ。


 あの日、意識をしてから武史は、イリヤのことをたびたび思い出す。

 高校時代からの付き合いと考えれば、ずいぶんと長かったものだ。

 化粧っ気のないときは、そばかすが浮いた無造作なスタイル。

 だがステージの上ではまさに、音楽に愛された女神。


 大学時代に武史は、イリヤのコンサートによく行ったものだ。

 恵美理が誘ってくるので、特に拒む理由もなかった。

 男女の仲になることは、本当にその気配さえなかった。

 だが親友というのもおかしな、不思議な縁はあったと思う。


 イリヤにも見せたかったな、と思うのだ。

 このニューヨークという街は、あちこちに彼女の記憶が残されている。

 死してなお、その影響力を残す。

 ミュージシャンというのは、偉大な存在である。


 そのミュージシャンにインスピレーションを与えたのが、兄である直史。

 直史と会うために、イリヤは日本にやってきた。

 色々なことが絡み合っていなければ、今でも彼女はこの世にいたはずだ。

 ただし武史と出会っていたかは分からないが。

(大きくなったら、俺もプレゼントを買ってあげたいな)

 彼女の残した、遺伝子的な遺産のことを、武史は少し意識した。

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