ヒーローと、信じてる。

@r_417

ヒーローと、信じてる。

***


 英雄という意味もあれば、男主人公という意味もある。

 ヒーローに託された意味はケースバイケース。


 一つだけ確かなことはヒーローと信じてる。

 ただそれだけだ。


***


 僕にとってのヒーローはご存知「トリ」。

 あまたの小説サイトの中で抜きんでた愛すべきマスコットであり、ご存知『カクヨム』の看板トリである。

 可愛さと聡明さを兼ね備えたトリさんに魅せられ、導かれるように登録したら最後。僕はすっかり『カクヨム』の虜になっている。


「トリだけに虜(とりこ)になっちゃった、何てね」


 把握し切れないほど多く存在する小説サイト。

 そんな中、とても書きやすい『カクヨム』というサイトにキチンと導いてくれたトリはまさしく僕のヒーローだ。と思っていたのだが……。


 実際のところ、どうなのだろうか?

 と、疑問が浮かんだのは先ほどのこと……。


***


「よしっ!」


 疑問が浮かんだら、行動あるのみ!

 僕は手元の検索ボックスで次々検索をかけていく。


 数多くの小説サイトがあるネット上で、可愛くも気高く賢く『カクヨム』に導いてくれたトリは間違いなく僕のヒーローだ。だか、もしも……だ。もしも、トリがメスだった場合……。ヒーローではなく、ヒロインと言った方が相応しいのではないだろうか?


 そんなことが頭に過った瞬間、僕は絶望感に襲われる。


 あろうことか、全力で感謝しているヒーローの性別をあまつさえ間違って認識していたとしたら! それはトリに対して、申し訳が立たない。そう思ったからこそ、調べ続けているわけなのだが……。


「うーん。よく分からないなあ」


 しかし、僕の検索が悪いだけかもしれないが、欲しい情報はピンポイントで見つけ出せない。

 焦りと絶望感で指先が震える。トリのプロフィールを全力で調べ続ける中、ふと頭に過ぎることがある。


「あ、いいんだ。別に」


 僕のヒーローが紛れもないヒーローだろうが、ヒロインがヒーローだろうが。

 僕にとっては間違いなくヒーローなのだから。その事実さえ、僕が揺るがず持ち続ければ……。


 僕自身、気持ちの落としどころが定まれば、焦っていた気持ちも嘘のように消えていく。


 実はヒロインだったというオチがあるかもしれない。

 だけど、僕にとっては間違いなくヒーローだった。

 そんなトリが待つ『カクヨム』というサイトで、僕は今日も書き続けている。


【Fin.】

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