可愛すぎるヤンデレ彼女に溺愛されるので溺愛します

爛々

プロローグ

 放課後の図書室。

 僕たち二人の秘密の空間。

 ヒミツの時間。


「松山さん、あなたの事がずっと好きでした! 僕と付き合ってください!」

 なけなしの勇気を振り絞って、ありったけの気持ちを詰め込んで。


「……その、本当に、池江君は私のこと好き、なん、ですか……?」

 信じられないといった表情で、泣きそうな表情で聞いてくる。


 僕の答えは決まっている。

「好きだよ、本当に好き! 僕は松山さ……泉美の事が本当に好き!」


「……けど、その、私、全然可愛くないし、友達も全然いないし、クラスでも浮いてるし、ポンコツだし、何もできないし……その私なんかと付き合ったら、池江君の迷惑になって、しまい、ます……」


「大丈夫、迷惑なんかしない。それに、僕は泉美のためなら何でもできるよ」 

「何でも、ですか……?」

 泉美の耳がピクリと動く。


 伏せていた顔を上げて、沸騰しそうな顔でまっすぐ見てくる。

「何でもって……その、池江君……池江君は私のために……ないて、くれますか?」

 赤い顔で、うるんだ目でそう聞いてくる。


 泣く、か……そんなこと、言われなくてもする。

 悲しい時は一緒に泣いて、嬉しい時は一緒に笑いたい。


「当然だよ。君が悲しい時も、辛い時も、どんな時でも……ずっと隣で泣いたり、笑ったりしたいんだ」

「……え?」


 ……予想とは違う素っ頓狂な声が聞こえる。

 予想外という風にうるんだ目をまん丸にして、泉美は僕の方を見つめている。


「え、その、そう言うことじゃ、ないです」

「……え?」

 僕も思わず困惑の声が出る。

 ……え? そうじゃ、ないの?


 夕焼けの泉美はもじもじしながら。

 言葉を紡ぎだすように、でも出なくて。

「その……えっと……えい!」


 ギュッと体を乗り出した泉美は僕のネクタイをグイっと引っ張った……!

「……え、ちょっと、何!?」



「……鳴いて、ください」


「……え?」

「……私のために、犬みたいにワンワンって……私以外の女の子見ないって、私が好きだって……だから、鳴いてください……!」

 泣きそうな上目づかいで僕を見上げてきた。



《あとがき》

しっくりこずにちょこちょこタイトル変えタイムがありました。

ごめんなさい。

感想とかもらえるとびっくりするくらい喜びます

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