僕の前世は猫だった
星色輝吏っ💤
プロローグ
ガンガンッ、コツコツ。
――ガシャンッ!
彼は激怒していた。
「なんでっ――なんで今度は人間なんだ!? 醜い下等生物めっ!!」
人間の手足がある。
でも彼は人間が嫌いだ。
そのため、彼はすぐに自殺を
人間の真似で武器を作って、それを使えないかと試作したが、うまくいかなかった。
仕方がないので、彼は腹部にその破片を刺してみる。
……出血した。突起物を刺したから、当然だ。
しかし、人間はそんなに簡単に死なない。激痛を味わうだけだ。
「くそう!! 人間の癖に! 死ねえ! 死んでやるぅ!」
ガタンッ! ドタバタ……ガシャン。
彼の声を聴いて、奥から、騒音を立てながら見覚えのあるおばさんが現れた。
「うるさいんだよ、あんた。
道で倒れてたから無償で泊めてやってんのに。
私はあんたの命の恩人、分かる?
身の程を弁えなさい」
「うるさ〰〰いっ! この僕が人間の施しを受ける義理はない!」
「ならさっさと出てけっ!」
……追い出された。
大声で怒鳴られ、突き飛ばされた。腹の傷がずきずきと痛む。
「くっ…………ここどこだ?」
未知の場所だった。
彼が外出したのは、これが初めてだ。
――否、人間になってから外出するのは初めてだ。
というのも、彼は先程まで
雀から人間に転生したのだ。
でも雀が最初ではない。
初めて転生したのは、彼が元の世界で死んだとき。
そうだ。彼は元の世界では……前世では……――
――――――猫だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます