気侭な一人旅 Vol2ー2



 予定が決まったからには早い早い!

 念の為にネットサイトでお天気をチェックして。

 必要な持ち物をせっせとパッケージング。

 目的地は……っと……まだ未定……

 風の向くまま。気の向くまま。

 ちょっと格好良いと想わない?

 やってみたいと思わない?

 な・ん・て・ね。


 カッコイイ トモ ヤッテ ミタイ トモ オモイマセン ヨ。 


 ご覧の通り事実上のノープラン!

 行き当たりばったりのバイクツーリングです。

 出発は明日。そう、休暇3日目の早朝!



 ワクワクドキドキの休暇3日目です。いざっ!

 

 まだ冷んやりと澄んだ空気の早朝に。

 穏やかな気持ちでブーツに脚を突っ込んで。

 バックパックに着替え諸々、希望と一緒に背負しょい込んで。

 ヘルメットに指を引っ掛け左手に。

 静かにドアを閉めたらロックして。

 『いってきます』って囁いて。

 

 軽くキーを放ったら横殴りにキャッチ!

 目指すは西!

 方角だけはお天気の予報を見ながら決めてたのっ!


 バイクにキーを差し込みライドオン!

 小気味よいエンジン音に誘われて。

 シフトペダルを踏み込んで。

 クラッチ繋いで疾り出す。

 シフトチェンジを繰り返し。

 最初に目指すは幹線道路。

 通勤ラッシュになる前に。

 高速道路へタッチダウン!

 

 未だ車の少ない高速道路を気分好く疾しる。

 休憩も兼ねてサービスエリアに立ち寄って、スマホのナビを見ながら未だ視ぬ景色に想いを馳せる。

 何処まで行こうかって考えたのだけど。

 何処までも行けそうな気がしたから。

 行ける場所ところまで行ってしまえ!

 と、勢い任せに再びバイクに跨り疾り出す。


 漠然と何かに巡り逢えそうな気がして、吸い込まれる様に何となく降りたインター。

 そこからは気分のままに疾って。気の向くままに曲がって。

 そのお陰で迷子の一歩手前と云われても反論出来ないのはナイショ。

 でもだからこそ、こんなに豊かな自然を満喫出来る路に辿り着いて疾れるのだから。

 あたしのテンションも上がるのは尚更でしょ?


 その結果、冒頭に戻っていまのあたしに至る訳なのです。

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