異世界転生した先は勇者を殺すと勇者の能力が手に入る世界だがスキル【出会いと別れ】で本当の出会いが出来るか?

るるかチャンネル

勇者を殺すと勇者の能力が手に入る世界をチートスキルで無双する

大事な打ち合わせの待ち合わせ時間まで後5分。


本気で走れば間に合う。


周りも見ずにスーツ姿で全速力で走っていた俺の目の前には、トラックが…。


これは死んだな。目を瞑って痛みに耐えようとするも、一向に痛みがやってこない?


恐る恐る目を開けると、何も無い真っ暗な空間?に無駄に神々しい髭ズラのジジイがいた。


「髭ズラのジジイとは何だ」

「ワシは偉い神様やぞ(ピカーん)」


自分で偉いとか言う奴に碌な奴はいない!!声に出さずにツッコむと。


「だからお前の考えは口に出さなくても分かるんじゃよ」

「ワシは偉い神様だからな」


え?考えが読める的な?


試しに…【クソ髭ズラのバーカ!!】


「誰がクソ髭じゃ!!」

「お前何ぞもう地獄行き決定だ」


少し確認するつもりが、自称『神様』に地獄行きを宣言されてしまった。


そんな事より、地獄って本当にあるんだね。


天国の方が良いけど、親より先に死んでしまった時点で確か地獄行き?


その他にもYouTubeで見た情報的には、ほぼ全ての人類が地獄行きになる内容だったから仕方無いと言えば仕方無いよね。


出来る限り痛くないといいな。


自称『神様』は呆れた顔で話しかけて来た。


「お前は地獄に行きと言われて、よく平気でいられるのう」

「すごく痛いからな!!泣いても許してもらえないからな」


凄く痛いのは嫌だけど、決まってしまったことは仕方ない。


「それでは地獄まで宜しくお願いします」


自称『神様』がキョドキョドしながら。


「嫌。お前は地獄行きでは無い」

「事情があって死ぬ寸前にコッチの世界に連れて来たから」

「そもそも死んで無い」


何だ地獄行きじゃ無いのか。しかも、死んでもいなかった。


そうなると何故俺はこの謎空間にいるんだ?


声に出していなのに、その質問に自称『神様』が答えてくれた。


「それはお前に異世界の崩壊を食い止めて欲しいからじゃ」

「お前は異世界で勇者になるのじゃ」


この髭ジジイは何を言ってるんだ?


「だから髭ジジイ言うな」

「自称では無く『神様』じゃ」

「本当は色々説明しようと思ったが、もう面倒じゃ!!」

「特性:勇者(経験値取得量(大)/ステータス補正(大)/自動回復(大)/自動翻訳)/Sランクスキルランダム1つを授ける」

「特性:勇者であれば異世界でも死ぬことはあるまい」

「Sランクスキルをランダムで1つ付けたから、後は異世界を宜しくな」


自称『神様』が早口で一方的に話して、手を振り上げると周りが神々しい光で包まれる。


あまりの眩しさに目を閉じて。


再び目を開くと、そこは見渡す限り広がる草原。


ここは異世界?自分の格好を確認すると、トラックに轢かれる間際のスーツ姿だった。


やっぱり異世界に飛ばされたら、これを言わないとダメだよな?


「ステータスオープン」


異世界定番の言葉を唱えてみた。


目の前に、RPGで定番のステータス画面が本当に現れた。


レベル1:山崎龍


力:10(50)

守:10(50)

速さ:10(50)

魔力:10(50)

運:20(100)

()は勇者補正後の数値


【特性:勇者】

経験値取得量(大)/ステータス補正(大)/自動回復(大)/自動翻訳


【スキル:出会いと別れ(Sランク)】

パーティーに入った仲間の全ステータスと獲得経験値が3倍になり。スキル保持者に対する仲間の攻撃が無効化される。


パーティーから抜けると仲間のステータスは元に戻る。


スキル保持者からパーティーを追放された場合はパーティーに居た間に手に入れた経験値・スキルは全てスキル保持者に強制徴収される。

 

このステータスは強いのか?比較が無いから全然分からないけど、勇者補正でステータス5倍になってる時点でそれなりに強いはず?


スキルも癖はあるけど、仲間が出来ればかなり強そう。


ただ、糞ヒゲジジイからほぼ説明を受けずに推定異世界に来てしまったので、正直何をすればいいのか分からない。


糞ヒゲジジイの最後の言葉が


「異世界を宜しくな」


宜しくなって何だよ。


一人ツッコミしていても何も始まらないので、近くに落ちていた小枝を真上に投げ。切先が向いた方へ歩き出した。


見渡す限りの草原なので、ここは運任せだ。


歩いていると異世界定番の見た目からプニプニ感が凄い。


多分、スライムを発見した。


RPG的には雑魚モンスターのはずだが、実際はどうなのか不明。


触るのは怖いので、とりあえず落ちていた石を拾ってスライムに投げつけてみた。


結果は…。スライムは石が当たると同時にパシャっと弾けて消えてしまった。


そして頭の中に直接。


【スライム討伐おめでとうございます。】

スライム討伐経験値1P

経験値取得量(大)の効果でポイント10倍


経験値取得量(大)の効果が経験値10倍であることが判明!!これはサクサクレベルが上がる予感。そう思っていると早速。


【レベルが上がりました】

全ステータス「1」アップ


初めてのレベルアップでは均等にステータスが1上がった。


ステータス補正(大)の効果があるから、レベル1上がると実質全ステータスが5上がる計算になる。


これが凄いのかも現時点では比較は出来ない。


早く他の人がどんな感じのステータスなのか確認したい。


そのまま真っ直ぐ歩き続けること、約2時間…。


やっと草原を抜けると、周りを柵で囲んだような村を発見した。


遠目に畑で農作業をしている人が見える。


そのまま歩いて村の入り口と思われるところに到着。


入り口には門番?が居たので


「すいません」

「道に迷ってこの村に辿り着きました」

「この村に入れて貰えませんか?」


自動翻訳があるので大丈夫だとは思うが、少しドキドキしながら日本語で話し掛けると。


「村の中には、このカードを触って犯罪歴が表示されなければ、自由に入れるからまずはこのカードに触れてくれ」


犯罪歴を見ることが出来るカード?何もしてないけど、そう言われると何か緊張するな。


緊張を隠しながらカードを触ると…。青色が表示された。


「青色なら犯罪歴は無いな」


当然だが犯罪歴は表示されなかったようだ。


「迷ったとか言ってたが、お前は何処から来たんだ?」


この質問に関して何と答えるか非常に迷う。異世界から来たとか行ってもアホ扱いされる可能性や、何らかの宗教上の都合とかで捕まってしまう恐れもある。


迷った末に出したのが。


「気づいたら草原の真ん中に倒れていて記憶がありません、そこから何も考えずに真っ直ぐ歩いていたら、ココに辿り着きました」


異世界ネタ定番の記憶喪失です。


この世界の記憶が無いのは本当だからね。


「草原に倒れていて、記憶が無いのかぁ〜」


「強いショックを頭に受けると記憶が無くなるとか言うが、草原で頭でも打ったのかな?」


この設定で何とか行けそうだ。


「記憶が戻るまで仕事をしたいのですが、仕事を探せる場所はありませんか?」


「冒険者ギルドがあるから、そこで登録して仕事を探してみるといいぞ」


冒険者ギルドがあるのか。異世界ネタ定番中の定番だよな。


門番に教えて貰った冒険者ギルドに到着。


建物の中に入ると、受付に大柄の男性が一人だけ居たので話し掛けた。


「すいません。登録して仕事を探したいです」


大柄の男性が気づいた。


「ん?新入りか?」


「この村のギルドは、モンスター討伐の依頼位しか無いぞ?」


討伐の内容が分からないが、現時点でお金も食べ物も無いので選択肢が無い。


「それでも早急にお金を手に入れたいので登録お願いします」


「それならコレに必要事項を記入してくれ」

「登録料は無料だが、依頼料・討伐料から2割利用料を頂く」


「一番下の木級ランクからスタート→大金級が最高ランクだ」


「木級の間はギルドの二階にある大部屋を無料で使えるから金が無いならそこを使え」


「但しギルドの掃除をすることが条件だ」


まだ寝場所を確保できていなかったので、コレは非常に助かる。


「是非使わせて下さい」


その後、必要事項を記入して私は【木級】冒険者になった。


…3ヶ月後。


俺は階級を二つ上げ【銅級】冒険者になっていた。


しかも力強い仲間も見つけることが出来た!!


剣士のリク(男)と狩人のエン(女)で、前衛が俺とリク。臨機応変にエンが動く感じで非常にバランスがいいパーティーだと思う。


勇者である事とスキルの話しはまだしていない。


相当のことがあっても自力で対応出来る実力が付くまでは言わないつもりだ。


そんなある日、いつものようにモンスターを狩っていると後ろから矢が飛んできた。


しかし、その矢は俺のスキルで無効化された。


「エン、危ないぞ!!ミスったのか?」


「可笑しいわね?しっかり狙ったはずなのに何で外れたの?」

「リク殺って」


横に居たはずのリクが目の前に現れ、上段から大剣を振り下ろして来た。


これもスキルで無効化される。リクも驚いているようだが、俺が一番驚いている。


完全に殺す気の攻撃だ。


何度か攻撃して来たが、全てスキル効果の仲間からの攻撃無効化によって防がれる。


距離を取ったところで、攻撃して来た理由を聞いてみた。


「お前は勇者だろ?勇者を殺すと勇者の能力が手に入る」


どうやら酔った勢いで俺が勇者である事を話してしまっていたようだ。しかも勇者を殺すと勇者の能力が手に入るだと!!


俺のスキルでステータスが3倍になり調子に乗ったコイツらは、今なら俺を殺して自分達が勇者になれると考えて殺そうとしたようだ。


アホ過ぎる。


「仲間解除(別れ)」


二人のステータスは元に戻り、二人が仲間の間に一緒に手に入れた経験値とスキルが全て俺のステータスに加わった。


3倍のバフ+一緒に手に入れた経験値・スキルが回収された、二人は俺の初期ステータスに毛が生えた程度までステータスが下がり…。一瞬で無力化!!


冒険者ギルドに連れて行き。事情を説明した所、二人は犯罪奴隷落ち。


コレは【ざまぁ】でいいのか?何か複雑な気持ちになる。


しかも、ギルドには俺が勇者だとバレてしまった。


俺は勇者を殺すと勇者の能力が手に入るこの異世界を何とか出来るのか?っか何とかって何だよw

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