ホモ・キュブリスト3

 オオケモノブタの下に集った雌達であるが、やがて彼女達の多くはオオケモノブタから一メートルほど離れた位置で止まる。

 オオケモノブタのすぐ傍まで近付くのは二体のみ。最年長の雌と、二番目に歳を重ねた雌だ。


「ブナァ。ナ、ナフナ」


 解体を指揮するのは年長の雌。それを受けて二番目に高齢の雌が、オオケモノブタの背に石器の刃物を当て、皮を切っていく。皮と肉の間に刃を入れて剥いでいき、綺麗に肉を切り分ける。皮を綺麗に切れるのも、刃が鋭利な磨製石器だから出来る事だ。

 ルーシー含めた若い雌は、基本的にその様子をじっと眺めるばかり。動くのは高齢の雌が肉を切り分け、渡されてそれを運ぶ時だけ。

 獲物の解体をする時のルールに、本能的な決まりはない。しかし大抵のホモ・キュブリストの群れでは、年長者やそれに次ぐ個体が解体を担う。

 これは獲物の解体が『専門技術』であるため。つまり習得に多くの時間が必要だからだ。若い個体はその経験がないため、獲物に触らせてもらえない事が多い。

 狩猟経験のないヒトからすれば、動物から肉を切り分けるなんて簡単だと思うかも知れない。だが、その考えで動物を解体するのは極めて『危険』である。肉を切る時に内臓、特に腸を切ってしまうと、中にある糞便(そしてそこに棲み付く細菌)により肉全体が汚染されてしまう。また土などが付着しても、感染症の原因となる。

 特に注意すべきは寄生虫だ。獣の肉に白点などが見られた場合、なんらかの寄生虫に寄生されている可能性が高い。これを摂取する事は極めて危険だ。寄生虫の種類にもよるが、良くて下痢による脱水症状、最悪脳や心臓などの器官に障害が起きる可能性がある。

 ホモ・キュブリストの社会に病院などという高等なものはない。まともな治療が行えない以上、病気はなんとしても回避しなければならないのだ。よって経験を積んだ専門家による加工が、社会維持のためにも欠かせない。勿論専門家を育成するには経験が必要なので、何処かで実際にやらねばならないが……何事にも順序があるというもの。

 その順序も伝統や文化の形で、合理的に継承されている。


「エェンツィァ、ナハファ」


「ファー」


 ルーシーも切り分けられた肉を渡される番が来た。名前(彼女は仲間からエェンツィァと呼ばれている。ヒトには正しい発音が少々難しいのでこのままルーシーと呼ぼう)を告げられたルーシーは今まで遠巻きだった状態から一歩踏み出し、肉を切り分けている雌の傍に立つ。

 この時ルーシーは、解体の様子を間近で見る事が可能だ。どうやって肉を切っているのか、何処にどんな内臓があるのか。直に切り分ける様子を見て学ぶ。


「フブァッハ」


 やがて肉を渡されたら、見て学ぶ時間は終わりだ。ほんの数分程度のものだが、これを何度も繰り返して少しずつ解体について学んでいく。

 渡された肉を抱え、ルーシーが向かうのは広間から五分ほど進んだ先にある調理場だ。

 ルーシーの群れでは捕まえた獲物は、解体が終わればすぐに皆で食べる事になっている。そのための『調理』を行う場所があるのだ。石器を研磨する時に使っていたのと同じく開けた場所であるが、こちらは水が溜まっていない。広々と使う事が出来る。

 調理は若い個体の仕事だ。調理時には石器で肉を一口大に切り揃えるなど、加工を行う。

 この調理時に肉の手応え、或いは筋繊維の向きなどを学ぶ。ここでスムーズかつ綺麗に肉を切れるようになれば、解体にも多少なりと役立つ。調理を通して、解体技術を学ぶのだ。


「ン、ンギ……」


「ンバー。ハフバフワー」


 調理場にはルーシー含め六体の雌がいて、その中での年長(群れでは三番目に高齢の雌だ)が調理について教えている。石器の持ち方、肉の切り方を丁寧に教え込む。

 そんな調理をしている雌の中には僅か五歳の個体もいた。身長は百センチしかなく、動きも拙い。その手には石器が握られているが、力がそもそも足りないようで中々肉を切れないでいる。

 幼過ぎると思うかも知れないが、ホモ・キュブリストの社会では労働は三歳頃から始まる。労働といってもヒト社会における仕事ではなく、群れの一員となるための行事のようなものだ。料理や荷運び、石器作りなどを通じて群れ社会の在り方を学ぶ。


「バハー。バハハー」


「バハハ! バハハ!」


 ちなみにホモ・キュブリストはかなりの『教えたがり』だ。幼体が少しでも手こずっていると、群がってそれを教えようとする。

 この教えたがりの性質も文化的なものである。周りから丁寧に教えられる事で、年下に対する教育方法を学ぶ。自分が教育する側になった時、同じように教え込むのだ。これにより文化として脈々と教育方法が伝わっていく。

 また、ヒトの幼体では二歳を過ぎた頃から自分でなんでもやりたがる事が多いが、ホモ・キュブリストの幼体はその衝動が弱いのもこの文化を支える特徴だ。これは教育や伝統ではなく、進化によるもの。前頭葉の発達がヒトの幼体よりもゆっくりであるため、自我の発達も遅く、自分でやるという『自己主張』をあまり持たない。

 ハッキリとした自意識を持つのは四〜五歳ぐらいであり、毎日の仕事によりこの時には相応の技術を持つため一体で大体出来るようになっている。この性質は独自性の発達などでは不利であるが、余計な事をしないという意味で集団生活には適したものだ。キューブ内は環境が安定しており、それでいて食料は限定的。冒険的な性質よりも、保守的な性質の方が生存上有利である。


「フンフーフーン。フフーンフーン」


 さて、話をルーシーに戻そう。彼女はもう十五歳。幼体に手解きはすれども、自分が何かを教わる事はない。

 石器を使い、肉を手早く切り分けていく。もう肉の情報は手に染み付いていて、どんな生物のどの部位を渡されても悩まずに切れる。また先程手作りしていたように、石器作りもお手の物だ。


「フフフーン。フーン」


 肉を切り分けても、まだ食べる事はしない。切った肉を抱えてルーシーは移動。広間の隅にある、円を描くように石が置かれた場所に向かう。

 そこには土で作られた、壺が二つ置かれている。

 ルーシーは持ってきた肉を、一つの壺の中へと入れた。次いで移動し、広間に隣接している『小部屋』(此処も瓦礫が組み合って出来た空洞である)へと向かい、そこに積まれた様々な植物を取る。置かれている植物は食用に使えるもの。その部屋は所謂食料庫なのだ。

 持ってきた植物は肉と一緒に壺へと入れる。それからもう一方の壺を持って広間から出ていき、その隣りにある小さくて薄暗い小部屋……水場へと向かう。

 この水場で石器の研磨は行わない。此処は飲水専用の水場だからだ。ルーシーは壺に水を汲み、両手でしっかりと持って抱えた。

 壺と言っているが、正確には土器である。泥を固めて作った道具であるが、これは天日干ししただけでは実用的なものとはならない。ただ乾かした粘土は水を吸い、元のドロドロとした状態に戻ってしまう。

 これを防ぐには、焼いてしまえば良い。粘土とは珪酸塩鉱物と水が混ざりあった状態であるが、ここに六百度以上の熱を加えると水が抜け、分子の立体構造が変化して水を吸わなくなるからだ。

 つまり土器を用いる彼女達は、火を扱う事も出来るという事。


「ンッ、フゥー……」


 水入りの壺を運んできたルーシーは、その水を食材入りの壺へと移す。波々と水を注いだら、空になった壺は脇に置き、今度は水と肉が入った壺の周りに草や小枝を置いた。

 それから二つの石を手に取り、力強くぶつけ合う。何度も何度も、何十回でも。

 石の正体は、一方は鋼鉄の欠片で、もう一方は強化コンクリートの欠片。鋼鉄も強化コンクリートも、ヒト文明の残りから作り出されたものだ。この二つがぶつかり合うと、火花が飛び散る。

 飛び散った火花は、殆どがそのまま消えて何も残さない。だが何十回と作り出せば、一つの火花が壺の周りに配置した植物に引火。小さな火となる。これを放置してもじわじわと枝葉を燃やすだけだが、ルーシーは両手で火を囲うと、強く、だけど火が消えない程度に息を吹きかけた。

 新鮮な空気を糧にして、火は一気に大きくなって炎になる。パチパチと植物を勢いよく燃やすようになれば、もう息を吹きかける必要はない。途切れないよう木の枝を入れ続けるが、この時段々と枝を太くしていき、最後は『薪』を投じた。薪ともなれば簡単には燃え尽きず、大きな炎が途切れなく燃え盛る。


「……………ンッ」


 焚き火が出来上がった事で、もう火の面倒は(頻繁には)見なくて良い。壺の中身の方に意識を向ける。

 しばらくすると水はお湯になり、その熱量で肉と植物を加熱。茹でていく。

 これが彼女達の行う『調理』の工程だ。個体として調理を行う理由は、基本的には食材の味や食べやすさを良くするのが目的であるが……生物学的な意義も大きい。

 肉にしろ植物にしろ、加熱を行う事でタンパク質などが変性し、消化による分解がしやすくなる。また柔らかさも増すため、咀嚼の効率が向上するのも利点だ。咀嚼や消化が容易になると栄養吸収の能率も良くなり、多くのエネルギーが得られる。

 また加熱により細菌、それらが分泌した毒素を分解し、食材の安全性を高める事が可能だ。一部の毒素は百度以上の加熱でも分解されないため、絶対とは言えないが、生食より遥かに安全なのは間違いない。植物の多くは生食に向かない(多くの植物は身を守るため毒を持つ)が、加熱により可食になる。つまり調理により食べ物の幅が広がるのだ。

 調理による様々な恩恵は、ヒトの進化にも大きく関わっている。同じ食事量で莫大なエネルギーが得られるため、脳という大食らいの器官を肥大化させる事が出来た。知能が良くなればより優れた調理方法を考え出し、道具の加工技術も高まる。調理こそがヒト文明の先駆け、あらゆる文明発祥の技術と言えよう。


「……ンババー」


 程よいところまで加熱したら、ルーシーは火に砂を掛ける。水は使わない。スプリンクラーの雨は定期的に降るとはいえ、無限の資源ではないのだ。無駄使いは好ましくない。

 火を消したら、壺が十分冷えるまで待つ。とはいえ表面温度が六十〜七十度程度のところで、もうルーシーは壺を素手で抱えてしまう。しかし彼女が苦しむ素振りはない。皮膚が厚いため、熱が伝わりにくいので苦もなく持てるのだ。生物的にヒトよりも皮膚が分厚いのもあるにはあるが、これはむしろ原始的生活を続ける事で身に着いた形質だ。発展した文明の中で生活すれば、ホモ・キュブリストもヒトのように熱いものが持てなくなるだろう。

 持ち抱えた壺と共に、ルーシーが向かうのは新たな大きな空洞。しかし此処は他の空洞と異なり、ホモ・キュブリスト達の手による『工事』が行われている。空洞自体が崩れないよう瓦礫を退かし、大きな瓦礫を柱として建てられていた。また地面にはたくさんの草が敷かれ、座り込んだり寝転んだりしても身体が痛くないよう工夫されている。

 此処は生活の場。ルーシーの群れは基本的にこの場所で寝食を行う。


「ヤッ、ファマーファー」


 生活の場には、オオケモノブタの傍から追い出された雄達が既に集まっていた。雄達は手招きしながらルーシーを呼び、ルーシーは言われた通りそちらに向かう。

 料理の入った壺は雄達の前に出される。しかしまだ誰も手を付けない。群れによって文化が異なるが、ルーシーの群れでは食事は皆で行うのである。

 自分の料理を終えたルーシーは、雄達の前に座る。しばらく待てば他の雌達もやってきて、同じく抱えていた壺……その中にある料理を並べていく。五歳の幼体も自分の大きさに見合った小さな壺を抱え、大事に持ってきた。

 最後に、オオケモノブタの解体をしていた年長の雌二体がやってきた。

 全員が揃ったところで、最年長の雌が辺りを見渡す。本当に群れが全員揃っているのか、それを確かめたら、パチンと手を叩く。


「ヤーヤーマッ」


 続けた言葉は、ヒトに分かるよう翻訳すれば「いただきます」。


「「「ヤーヤーマッ」」」


 ルーシー達もその言葉を繰り返し、食事を始めた。

 食事方法も群れによって異なるが、ルーシー達の群れでは手掴みが基本だ。

 食前に手を洗う習慣はない。衛生観念の発達した文化圏に住むヒトからすれば汚いように感じるだろうが、ホモ・キュブリストの文明レベルはこれまで見た通り石器文明程度のものだ。解体技術や煮沸など清潔を保つ文化はそこそこ発展しているが、それが何故良いのかは全く理解していない。これでは片手落ちになるのも仕方ないと言えよう。

 とはいえ最後の最後で料理を汚染してしまうやり方ではあるが、言い換えれば手に深刻な雑菌がいなければ、これまでの工程はちゃんと活きる。料理や解体方法は、間違いなく彼女達の生命を守っている。


「ヤー、ファフーナ、イヤ?」


「ファヌナ。エファ、ナ、ヤンヤー」


 食事中は誰もが気軽に話し合う。雄と雌で会話を分けるものはなく、雌が「今日の狩りはどうだったの?」と聞けば「大変だったよ。実はナの奴がさー」と雄が返す。語彙は少なくとも、ヒトの食卓とよく似た光景だ。

 賑やかな食事もまた文化の一つ。群れで暮らすホモ・キュブリストであるが、言い換えれば単身では決して強い動物ではない。過酷な自然界で生き抜くには群れの強い結束が必要である。

 積極的なコミュニケーションを行い、群れの個体同士の結束を強める。また話し合う事で今日の出来事を振り返り、対策なども大勢で考える機会にもなる。食事中の会話も、生き残り戦術の一つなのだ。

 また、食事行動からは彼女達の進化的な特徴も見られる。


「ング、ングング」


 肉を噛むルーシー。その前歯はヒトと比べて先が細く、尖っている。肉食獣ほどの鋭さはないが、この形は肉を噛み切るのに適したものだ。

 ホモ・キュブリストは雑食性であるが、肉を特に好む。理由は工業区画の土壌には崩壊時に撒き散らされた化学物質がふんだんにあり、植物はどれもこの汚染物質を取り込んで有毒化し食用に適さないため。食べられる果実もあるにはあるが、それよりも植物の毒素を無害化する虫やオオケモノブタなどの動物の方が豊富だ。最もよく手に入る食べ物を好む進化を遂げたため、嗜好が肉食性に偏っている。

 また必須とする栄養素も肉食に合わせており、ヒトが持っていたアミノ酸合成能力は多く失ったが、ヒトが持っていなかったビタミンⅭ合成能力は再獲得していた。ビタミンCは過熱に弱く、また肉からはあまり多く取れない。肉食化する上で、ビタミンCを自力で作り出す事は欠かせない進化だったのである。

 ちなみに料理には植物を入れたが、それらは二十万年前の香辛料を祖先に持つものだ。例えば今回ルーシーが作った料理に入れた樹木の葉は、ゲッケイジュを祖先に持つ植物ゲッコウジュのもの。ゲッコウジュはこの工業区画に生息する植物としては、ホモ・キュブリストにとって有害でない数少ない種である。

 ゲッケイジュの葉を乾燥させたものはローリエと呼び、ゲッコウジュの葉も同じ利用(香り付け)が出来る。肉に芳醇な香りを付け、美味しく食べるための工夫だ。一般的にローリエは長時間煮込むと苦味が出てくるが、進化したゲッコウジュはその苦味がない。葉を食べる事も可能であり、ホモ・キュブリストに好んで使われていた。

 他にもホモ・キュブリストが進化させた特徴として、食事量の多さが挙げられる。ヒトと比べ小柄な彼女達であるが、一度に五キロほどの肉を問題なく平らげてしまう。胃袋が拡張しやすく、一度にたくさん食べる事が出来るのだ。肉類は毎日獲れるとは限らないため、食べられる時にたくさん食べられる個体が有利。大食いもまた、適応の結果である。


「バイハーバハ」


「「バイハーバハ」」


 壺の中身が空になれば、雄と雌は互いに見合いながら「ごちそうさま」を言い合う。

 食べ終えた後の食器は雌が片付ける。雄達はそのままごろごろ……ではなく、狩りで使った道具(石器で出来た槍など)の手入れを始めた。ごろごろするのはその後だ。

 雌達の食器の片付けは、割と適当なもの。何分土器なので水でごしごしと洗うと壊れかねないし、そもそも水は貴重だ。そのため食べた後の食器は、一回水で軽く濯ぐだけ。不衛生にも思えるが、基本煮ただけの料理なので土器にこびり付くものもなく、あまり問題にはならない。

 食器を片付けたら、次はオオケモノブタの処理をまた行う。

 先程の料理で思う存分食べたとはいえ、オオケモノブタは体長二メートル以上……体重三百五十キロはある大物だ。ルーシーの群れは彼女含めて四十六人で構成されており、いくら一人五キロ食べても二百三十キロ程度の消費が限度。肉や骨は未だ大部分が残っている。

 このまま置いておいても腐らせるだけ。飽食の文明社会ならばいざ知らず、次は何時獲物が取れるか分からない自然界でこれはあまり勿体ない。そこで保存食を作る。残った肉を瓦礫の山の中でも特に開けた、天井が空いている空間へと運び、干物にするのだ。

 骨は一部やデザートとして後で食す。背骨が特に人気であり、年長者が多くこれをもらう。残った肋骨や四肢の骨は、石器を研磨した時に使った池で丁寧に洗い、保管しておく。用途は柱などの建材、複雑な道具での留め具、装飾品の材料……多岐に渡る。


「ンー……」


 ごしごしと骨の汚れをしっかり落としていたルーシーだったが、ふと彼女の手が止まった。

 夜が訪れたのだ。元々日が差し込まないため暗い瓦礫下の洞窟は、夜になると本格的に真っ暗となる。

 暗くなったら仕事は終わりだ。手許が見えないのだからやりようがない。ルーシー達は立ち上がり、壁伝いに移動。食事をした大部屋に辿り着くと、適当な場所で横になる。文明があった時と違い、暗闇の中で暇を潰す方法はない。後は寝るだけ。

 ルーシーが寝息を立てた頃には、群れの仲間達も眠り出す。

 一日は終わり、また明日働き出す。これがルーシー達の生活だ。決して安寧の生活という訳ではなく、命の危険も多いが、『現代的』なヒトの生活に比べると非常にのんびりしている。良し悪しではなく、そういう暮らしが今の彼女達には適しているのだ。

 とはいえ、変化がない訳ではない。良い変化もあれば、悪い変化もある。ルーシーの群れにも悪い変化があり、問題が起き始めていた。

 問題は解決しなければ群れの存続に関わる。そのための方法は、実のところ既に用意されていた。

 そしてその解決策は、ルーシー自身が握っているのだった。

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