頑張らない、時に頑張る。
さち
第1話 はじまり
私は一度自分の人生をやめたいと思ったことがある。
大学4年生の頃に、某広告代理店のベンチャー企業に一目惚れをして入社。
(一目惚れと言うよりもほぼ勢い)
東京と言うには背伸びしすぎている場所のとあるマンションの一区画が私の職場。
当時は20名ほどの社員しかおらず、歳もほとんど離れていない。
代表ですらまだ30手前であったこの会社は、今思えば会社とはまだ呼べない存在だったかもしれない。
そんな私の人生は大学生のノリのまま仕事と飲み会に明け暮れる毎日。
朝は実家から1時間半かけて8時前には出社、夜は21時まで仕事をして同期と近くの居酒屋で終電まで飲む。
その毎日に何の違和感も、戸惑いも覚えていなかった。
毎日新しいことに出会って学んで、成長を感じる。
パソコン仕事なんてしたくないと思っていた私が、今では打ち方こそ変であれ、こうしてある程度のスピードでタイピングをできるようにはなっている。
そんな一つ一つの成長が、私の喜びとイコールだった。
しかし1年と半年過ぎたあたりから何か違和感を感じ始める。
人生ってなんだろう。ふと思うようになった。
段々と会社から得られることが少なくなってきたように思う。
もちろん自分で本を読んだり調べたりして学ぶこともあった。だが、それなら無理に会社に居座っていなくてもいいのではないか、、。
ベンチャーということもあり教育体制なんていうものはほとんど備わっていなかったことを懸念し、私は自ら教育体制を作っていこうと決意し、気づけばそんなポジションにこっそり立つように。
もちろん後輩は好きだったし教えることも好きだった。
だけど自発的な行動は時に周りに評価はされず、自分の業務の残りは私の残業へ。
比較的要領のよかった私は、「残業は月40時間以内」という会社の規定こそなんとか守っていたもののだんだん自分の仕事に、人生に、生き方に、疑問を抱くようになった。
何のために自分はこんなに仕事をしているのだろうか。どうして自分は生きているのだろうか。そもそもなぜ人間というものは存在するのか。そこに理由はあるのか。なんで、なんで…
考えてもどうにもならないことを、ひたすらに考える毎日。
気づけば休日も何をしたら良いのかわからず、"趣味"というものをとことん調べた。
一方で携帯の画面に光るのはほぼ大半が仕事の通知。
疲れ果てた私が彼氏に背中を押されてたどり着いたのが「転職」という道であった。
転職し新たな職場に勤めている今、後悔していることはなにもない。
かと言って前職に入社したことを後悔しているわけでもない。
ただ、転職をしたことによって第二の人生を明るく生きていくことができるようになった私が今になって思うこと、考えていること、生きること、について少しでも文字として書き残していければいいなと思い、今ここに書いている。
たかが24歳の私に何ができるのか、というところであるが
今年のモットーである「やりたいことは全部やる」に即して書いてみようと思う。
ちょっと人生に疲れたら、ふとこんな人間がいたな、と思いだしてこれを読んでくれたら嬉しい。
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