君を守るため
雪蘭
序章
初夏を告げるがごとく鳴り響く雷鳴に、降りしきる土砂降りの雨。
その時、俺はただその場に立ちすくむ事しかできなくて、ただ彼女の泣き叫ぶ声を隣で聞いている事しかできなかった。
—あの時ほど自分に失望したことは、ない—
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