（リアム視点）

マリーナは俺と同じ文官タイプの魔術師だと思っていた。

文官タイプは戦闘には向かないから、一般人と戦っても負けちまう。

しかし彼女は伝説の転移魔法で颯爽と現れて、囚われていた人達治療し、すぐに回復させた。回復魔法をエリアでかけたそうだ。凄すぎる。

捕まっていた人たちは、マリーナをまるで女神のように讃えている。

彼らはワルシャワ領を良くするために他領から来て情報を探っていたところ、路地裏で襲われて捕まっていたそうだ。

皆の視線がマリーナに集まるなか、マリーナが口を開いた。

「皆さん、事情はよくわかりませんが、まずはここから脱出しましょうか。ここはどこでしょうか？」

皆が顔を見合わせて、囁きあう。

「助けに来てくれたのに、場所がわからないのか？」

「俺たちは意識がない時に運び込まれたから、場所は知らないな。」

マリーナが再度尋ねても、みんな答えられない様子だった。俺も正直わからない。

彼女は少し考え素振りを見せたが、頭を掻いてため息をついて、こう言い放った。

「考えるのはあまり得意ではないので、手っ取り早くこの建物を破壊しますね。皆さんの周りに結界を張りますので、こちらに集まってもらえますか？あと15秒でお願いします。いーち、に（中略）、じゅうご、行きます。

空間粉砕！」

青空が見えた。これは夢か？

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい