第7話

「あなたは一体?苦しさが消えてる・・・?そ、その、口付けで救ってくれたのか??」


「よくわかりませんが、助かってよかったですね。解毒はできましたが、痛んだ内臓は治っていないので、数日は安静に過ごして下さいね。では!」


マリーナは面倒ごとを避けたい一心で、ささっとその場を離れた。


マリーナが去った後、1人の騎士が青年を見つけ、声をかけた。


「殿下!またお一人で抜け出して、危ないではありませんか!!さぁ帰りますよ。」


「いやぁ、今日は本当に危なかった。ちょっと強めの毒を盛られてな、死にかけたところを美少女に救われたのだ。」


「はっ??死にかけた?美少女?詳しく話して下さい。」


殿下と呼ばれた青年、この国の第2皇子は、屋台で買い食いをして食べ歩き中に気持ち悪くなってきたこと、途中で息が出来なくなって倒れたこと、気付くと周りに人垣ができていたこと、もうダメかと思ったところで美少女が現れて舌を絡ませるキスをされ、気づけば身体が楽になっていたことを、包み隠さず側近の騎士に伝えた。


「なんということを。おそらくそれは、呼吸を止める恐ろしい毒。一般の治癒師では解毒できず、教会の最高位神官でしか治療できないと言われている代物ですよ。その少女は殿下の代わりに毒を受けたのではないですか?」


「なんだと!?確かにすぐに去っていったな!早く見つけて救ってやらなければ!すぐに美少女の捜索と最高位神官の手配を!」


◆◆◆◆◆


その頃マリーナは、少し豪華な宿屋に1ヶ月ほど泊まれるように手配し、久しぶりのお風呂を満喫しながら、この国での暮らし方に考えを巡らせているのであった。

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