第505話 西瓜割り その2
(やっぱり、亜紀は手加減したな!)
(上手に力を抜いて、西瓜を割ると言う依り叩いた…)
(亜紀は後の人のことを、キチンと考えているんだな)
「……」
俺が心の中で感じる中。亜紀は目隠しと成る、タオルを
「……うん!」
「この西瓜は、案外頑丈ね…!」
「私の力だけでは、割れないか!」
亜紀は澄ました表情で呟く。
次の番と成る桃香ちゃんが、和やかな表情で亜紀に話し掛けながら近付く。
「お姉ちゃん…。残念だったね!」
「けど、お姉ちゃんの
「……うん。桃香の力で、西瓜を割ってね!」
亜紀は優しい表情で、桃香ちゃんに話す。
だが別に、この西瓜は亜紀に何も悪い事はしていない。
敵を討ちたいのは桃香ちゃんでは無く、本来は西瓜で有ろう!?
亜紀から桃香ちゃんに順番は変わり、目隠しをされた桃香ちゃんは、自分自身で体を回転させ、方向感覚を失ってから西瓜割りを始める。
「桃香ちゃん!」
「もう少し左だよ!!」
「桃香!」
「後、半歩左!!」
「そう、其処!」
「其処から、10歩前進!!」
「うん。分かった。お姉ちゃん!♪」
虹心は和やかな表情で桃香ちゃんを誘導させるが、亜紀はやや真剣な表情で、桃香ちゃんに誘導では無く指示を出している!
そして、桃香ちゃんは陽気な口調で亜紀に答える。
だが、亜紀は自分の妹に対して、かなり
こう言った誘導は、もっと“大まか”ですると俺は感じるからだ。
亜紀はそれだけ生真面目なのか、身内贔屓のどちらかなんだろうか??
「あはは……」
「亜紀さんは適格だね…(汗)」
「私の誘導なんか要らないぐらい///」
虹心の方も、乾いた笑いをしている気がする?
これも、西瓜割りの一つで有ろうか??
……
「えい!」
『パカン!』
亜紀的確な誘導(指示)のお陰で、桃香ちゃんも西瓜の真正面にたどり着き、元気な掛け声の後。木の棒を振り下ろす!
だが、桃香ちゃんの力が弱い所為か、西瓜は完全には割れず、西瓜に半分ぐらいヒビが入った所で止まる。
「わぁ~~///」
「もう1回叩けば、割れそうだったのにな~~///」
「……お姉ちゃんの敵を、討ち損ねた…///」
目隠しを取った桃香ちゃんは、割れかけの西瓜を見ながら残念そうな表情で呟く。
何度も言うが、亜紀は西瓜に何かをされてはいない……
この1回しか西瓜を叩けないルールは、亜紀・虹心・桃香ちゃんの3人で作った独自ルールで有るが、ルールで有る以上、桃香ちゃんの番は終わりで有る。
桃香ちゃんの次は、最後と成る虹心で有る。
虹心が間違い無しに、この
虹心も、亜紀や桃香ちゃんのように前準備をしてから、西瓜割りを始める。
……
「えい!」
『バキッ!!』
『グシャ!!』
運動神経の良い虹心も、西瓜の真正面にたどり着き、強気の掛け声を掛けながら木の棒を振り下ろす!
今までの木刀攻撃に耐えてきた西瓜で有ったが、虹心のパワーで遂に西瓜が割れる!
そして虹心は全力で、木の棒を振り下ろしていた。
虹心が最後だから、問題は別に無いけど……
「わっ!」
「綺麗に割れている~~!」
目隠しを取った虹心は、割れた西瓜を見ながらはしゃぎ声で言う。
桃香ちゃんには的確な誘導を出した亜紀で有るが、虹心には普通の誘導で有った。
だが、それでも虹心は西瓜の真正面にたどり着いたのだから、虹心は野生の勘が冴えているのかも知れない?
……
西瓜も無事に割れたことで、西瓜割りは終わり、西瓜を食べる時間と成る。
当然、冷たい西瓜では無いが西瓜の瑞々しさを感じ、
水分補給に持って来いの西瓜で有る!
「甘くて、美味しいね~~」
「良いのが買えた~~♪」
虹心は笑顔で西瓜を食べている。
ちなみに、西瓜を買って来たのは虹心で有るから、甘い西瓜を無事に選んだことに成る。
「~~~♪」
「~~~♪」
亜紀や桃香ちゃんも、笑顔で西瓜を食べていた。
西瓜割りで割った西瓜は綺麗に食べきり、西瓜割りの後は昼食の時間まで再び4人一緒で、波打ち際で楽しく遊んだ!
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