第366話 突如始める進路相談? その3

 葉月学園中等部も、一般的な中学校と同じ様な体制で有るから、エリート・普通・落ちこぼれ・DQNのクラス編成へ自然と成ってしまう。

 これは、高等部でも普通コースの場合は同じで有るが……


(俺の中等部時代を過ごしたクラスでは……激しい苛めは無かったし、真面目君がクラスを纏めていたからクラスの秩序も良かったし、担任も恵まれた!)


(だが、学年余所のクラスでは、世紀末のクラスが有ると聞いたことが有る…)

(伊藤さんはそのクラスに、在籍していたのだろうか?)


 俺は心の中でそんなことを感じながら、伊藤さんに少し真面目な表情で質問をしてみる。


「伊藤さんは、中等部時代のクラスに不満を持っていたんだね!」


 俺の言葉の後。伊藤さんは怒ったような表情と、口調を強めて俺に言い始める!


「不満!?」

「不満どころでは無いわよ!!」

「あのクラスは、本当に最低で有った!!!」


「ある学年の時…。私のクラスに“心が弱い子”がいて、クラスメイトの殆どの人達がその子を馬鹿にしたり、ほぼ苛めに近い行為をしていた!!」

「その所為で、その子は登校拒否に成ってしまったけど、それに罪悪を感じるクラスメイトは誰一人居なかった……」


「もちろん、担任だって見て見ぬ振りをしたわ!!」

「今のクラス(特進コース)は、確かにテスト前や面談週間は空気が重くなるけど、普段の時はみんな和やかで、理性がしっかりしているから苛めも起きないし、陰湿なことも起きない……」


「うっ、うん……」


 伊藤さんのマシンガントークで、俺は只、頷くしか成った。

 陽葵先輩が困った微笑み表情で、俺と伊藤さんに向けて話し始める。


「亜紀ちゃん、三國君!」

「私が変なことを言った所為で、場を悪くしてごめんね!///」


「あっ、いや……陽葵さんが悪いのでは無いですよ!///」

「空気の感じ方は、人それぞれですから……」


 伊藤さんは少し困った表情で、陽葵先輩に言う。

 陽葵先輩は俺に、穏やかな表情で話し掛ける。


「三國君!」

「そんなわけで、私はお姉ちゃんの下で、名大なだいを目指しているのだよ!!」


「えっと……陽葵先輩」

「変なことを聞きますが、陽葵先輩は将来の目的が有って、名大を志望しているのですよね?」

「真優美さんが名大を出たから、陽葵先輩も名大を目指すでは無いですよね?」


 俺は尋ねる表情で陽葵先輩に聞く。

 陽葵先輩が名大を目指しているのは分かったが、どうして目指しているかを俺は知りたかった。

 陽葵先輩は和やかな表情で、俺の質問に答え始める。


「そうだよ!♪」

「私は、教育心理の勉強を学びたくて、名大を目指しているの!!♪」

「将来は、児童福祉に関わる仕事に、就けたら良いと感じている!!!」


(陽葵先輩は教育心理に興味が有るのか!)

(教育心理を学んで……児童福祉関連に就職。児童相談所勤めやスクールカウンセラーに成るのかな?)


「そうなんですか。ありがとうございます!///」

「陽葵先輩!!///」


 俺はそっち方面は“さっぱり”だから、作り笑顔で陽葵先輩に言って、会話を終わらせようとする。

 だが、陽葵先輩は穏やかな表情で、俺に質問をしてくる。


「それで三國君は、今の所。何処の大学を志望しているの?」

「将来は……まだ、決めてないと言っていたね!///」


「あっ……俺は、学園の提携大学を志望しています。出来れば、推薦を貰って進学出来たらと……」

「将来は、陽葵先輩にお話しした通りです///」


 俺は少し緊張しながら陽葵先輩に言う。

 俺はまだ、明確な進路や将来を決めていない。

 陽葵先輩は、理解した表情で俺に言い始める。


「成る程ね~~。三國君は提携大学か!」

「まぁ、普通コースなら、それが普通だよね!!」


「ですよね…。陽葵先輩」


「……」


 陽葵先輩の言葉の後。俺は同調するように返事をする。

 伊藤さんは、俺と陽葵先輩の遣り取りを澄ました表情で見ながら、ミルクティーを飲み干している。


 食後の楽しいティタイムとは、言いにくい感じだな!///

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