第300話 収穫なし

 ……


 ア○メイトで気分転換は出来たが、新しい作品の出会いや、素敵な人との出会いは無かった……

 そもそも、ア○メイトで出会いを求めるのが論外で有るが……


 少し気に成る作品は有ったが、俺はまだ学園生なので小遣いが潤沢では無い。

 アルバイトが出来るように成れば、そう言った気に成る作品も、気軽に手が出せるように成るのだが……


(そろそろ、家に帰るか……)

(虹心も、家に帰っている頃だろう……)


 俺はア○メイトの店舗から出て、駅前の大通りを家の方角に向けて歩き始める。


 とある横断歩道を渡る為に、俺は信号待ちをしていると……横断歩道向こう側の歩道に、小鞠ちゃんと例の木付が、仲良く歩いている姿を見付けてしまう!!


「~~~♪」


「~~~♪」


 大通りの向こう側なので、小鞠ちゃん達の声は聞き取れないが、二人とも楽しそうな表情をしている。


(げっ……小鞠ちゃん達も、駅前に遊びに来ているのか!///)

(園芸クラブは早々と活動を終了して、デートで駅前に出て来たか///)


(小鞠ちゃんは木付と一緒だから、俺が鉢合わせをしてしまうとまた、嫌なムードに成りそうだな!!(汗))


 幸い、小鞠ちゃん達は俺の存在にまだ気付いていないので、俺はその横断歩道で横断するの止めて、青側に成っている歩道を歩き始める。

 小鞠ちゃん達の姿が見えなく成った場所の横断歩道で横断しても、家に帰るのは問題無いからだ。


(虹心は俺への仕返しで、小鞠ちゃんは木付と関係を持っていると言っていたが、さっき見た感じでは、本当のカップルにしか見えなかった…///)


 俺はそう思いながら、足早で小鞠ちゃん達から距離をひらける。


(よし。完全に視認は出来ない場所だな!)


 小鞠ちゃん達が、完全見えなく成った場所の横断歩道で、俺は道を横断して家に帰った……


 ……


 俺は家に到着して、玄関のドアを開いて家に入る。

 玄関の靴を置く場所には、母親・兄・虹心の三人の靴が揃っている。


 母親は台所で、キッチンの整理整頓をしていたので、俺は母親に帰宅挨拶をしてから自室に向かう。

 俺の自室に向かうには、虹心の部屋前を通る必要が有るが、俺が通過しようとした同時に、俺を待っていたかのように虹心の部屋ドアが開く!


『ガチャ!』


「兄ちゃん。お帰りと言いたいけど……何処、寄り道していたのよ?」

「私より、遙かに早く家に着いているべきなのに!!」


 虹心は穏やかな表情では無く、怪訝な表情で聞いてきた!

 虹心の姿は私服姿で有り、かなり前から家に帰って来ているのだろう。

 俺は和やかな表情で虹心に話し始める。


「急にハンバーガーが食べたく成ったから、駅前のハンバーガーショップで昼食を食べてきた。」

「寄り道ついでに、駅前の探索もついでにね…!!」


「ふう~ん。家にご飯が有るのに、態々わざわざ外食ですか!」

「兄ちゃんはリッチだね~~」


 虹心は澄ました表情だが、何故か嫌みを言う口調で言う!?

 俺の小遣いで、何を食べようが本来は自由だろ……


「まぁ、そんな事だ!」

「それで……虹心。俺に用事が有って、虹心は俺を呼び止めたんだろ?」


 俺は澄ました表情で虹心に尋ねる。

 けど、虹心は穏やかな表情で言い始める。


「別に用事なんか無いよ!」

「兄ちゃんが帰って来るのが遅かったから、理由を聞いただけ!!」


「あっ、そうなんだ……」


 俺は澄ました表情で虹心に返事をする。


「じゃあね!♪」

「兄ちゃん!!♪」


『パタン!』


 虹心は和やかな表情で俺に言うと、直ぐに部屋のドアを閉めてしまう。

 俺の帰宅確認だけを、虹心はしたかったのか?


(まぁ、気にしないで置こう!)


 俺はそう感じながら自室に入る。

 今日香ちゃんの件や小鞠ちゃんの事を、虹心に相談したい気持ちも有るが、虹心に相談した所で、俺の中では無意味で有るからだ。


 この問題は、俺の中では答えが出きっているから……

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