第226話 俺を元気付ける妹

 俺と虹心は自宅に向かいながら、小鞠ちゃんに関する話しをしているが、まもなく自宅に到着をする。

 俺が、さっき虹心に言った問いかけを、虹心は俺から目線をらしながら言い始める。


「うん……兄ちゃんの言う通り!」

「身分相応のことをしていれば、周りは過剰反応しない!!」


「後は……小鞠ちゃんが、どちらかを選ぶか…」

「このまま木付さんと関係を深めるか、それとも兄ちゃんに意識を戻すか……」


「……」


(小鞠ちゃんが再度、俺に意識を向けない限り、俺は小鞠ちゃんとの関係修復は出来ない!)

(身から出た錆だから、どうしようも出来ないが……)


「まぁ、だから、兄ちゃんは、二学期が始まったら新しい人を探すべきだね…」

「夏休み中の間は、私が相手して上げるから!!」


 目線を逸らしながら言うが、最後の文章は和やかな表情で言う虹心!

 俺を元気付けるためか?

 虹心の言葉の後、俺は呟く表情で言う。


「虹心が相手と言っても……俺たちは見えない壁が有るからな!」

「一つ屋根の下でも、俺たちは実の兄妹だ!!」

「健全な遊びしか出来ない……」


「それが、兄妹だよ。兄ちゃん!!」

「キスぐらいなら何時でもして上げるから、元気出して!!」


 困った笑顔で言う虹心。

 俺と虹心はキスをするが、唇同士をくっつけるキスまでしかしていない。

 それ以上のキスを俺は求めているが、虹心が唇をひらけない……


 ボディタッチだってそうだ。

 俺は軽くしか、虹心の体に触れてない。


 虹心の胸を揉みほぐしたり、お尻を揉んでまではしていない。

 それ以上は、虹心が睨み付けて来るからだ!!///


(俺は結局……虹心に、遊ばれて居るんだよな!)

(虹心に遊ばれる代わりに、僅かなご褒美を貰って喜ぶ俺……)


「さぁ、兄ちゃん!」

「家に帰ったら、久しぶりにビデオゲームでもしようか!!」


 いきなり、嬉しそうな表情で言う虹心!?

 この妹は本当に、騒がしい妹だ……


「虹心から誘ってくるとは珍しいな……だが、久しぶりに対戦するか!」


 俺は興味を示した表情で言う。

 将棋などのボードゲームは虹心が強いが、ビデオゲームに関しては、俺の方がまだ有利で有る!?


「けど、兄ちゃん。対戦するゲームはポルカーパーティーだよ!」

「それ以外はしないからね!♪」


「……何で、ポルカーなんだよ…」

「それなら、マリパーでしょ!!」


 虹心が笑顔で言うポルカーパーティーは、もふもふキャラクターが出て来るゲームで有る。俺は当然、不満な表情で言う。

 普通対戦ゲームと言ったら、男気おとこぎが有るゲームを指すのに、まさかのポルカーパーティーで来るとは!!


「だって、兄ちゃん。マリパーやり込んでいるもん!」

「少しでも、私が有利なゲームしなきゃ!!」


 嬉しそうな表情で言う虹心。

 勝つ為には、手段を選ばないと言うのか!?


 ポルカーパーティーは俺好みのゲームで無いから、当然プレイ時間は短い。

 それに、ポルカーパーティーを買ったのは虹心で有る。

 ポルカーがブームの時にゲーム化されて、虹心が飛び付いて買った。


「……しょうが無いな!」

「ポルカーで良いよ!!」


 俺は諦めた表情で言う。

 何時もの俺なら断固拒否するのだが、俺の今、一番大切な人は虹心で有る!

 それに、女性好みのゲームも有る程度熟知しておいた方が、今後の役に立つかも知れない。


「じゃあ、家に帰ったら、早速対戦しようね!」」

「兄ちゃん!!♪」


 満面な笑顔と、陽気な声で言う虹心。

 俺たちの関係は深い兄弟愛で有るが、それ以上の進展は出来ない。


 だが、それでも、限界の限界を求め合う二人で有った!?


 ……


 自宅に戻った俺と虹心は、虹心の宣言通りビデオゲームを楽しむ……

 虹心が有利のゲームなので、俺は苦戦を強いられた。


 けど、それでもお互いがビデオゲームを楽しみ、虹心の中では公園デートの余韻を楽しんでいた。

 こうして、この日の一日は過ぎて行った……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る