第167話 お店に向かう
「じゃあ、行って来ます!」
「母さん。虹心!」
「……行ってらっしゃい」
「兄ちゃん。気を付けてね~~♪」
俺は和やかな表情で、出掛けの挨拶をすると母親は『やれやれ』の表情で挨拶をして、虹心は笑顔で挨拶をしてくれる。
俺は台所を出て、玄関に向かい、靴を履いて外に出る。
梅雨の時期で有るが、今日は雨が降る確率は低いそうだ。
(さて、真優美さんのお店に向かうか!)
俺は心の中でそう思いながら、自宅から真優美さんのお店に向かった。
場所も完全では無いし、今日が営業日かどうかも不明だが、それでも俺は真優美さんのお店に向かった……
☆
自宅からもより駅に向かい、駅から電車を数区間乗って、とある駅で降りて、俺は地図アプリを頼りに真優美さんのお店に向かう。
店の場所は地図アプリ上では分からないので、小さな公園を目指して歩いて行く……
……
とある駅から、十分ぐらい歩いた頃だろうか。
小さな公園が、視線に飛び込んで来る。
(公園が見えて来たと言うことは、この付近に真優美さんのお店が有るはずだ…)
小さな公園を通り過ぎようとした所で、運良く真優美さんのお店を見付ける!
公園の目と鼻の先では無いが、お店の看板も出ているし、真優美さんのお店で間違いないだろう!!
(問題なく見付けられたな!)
(看板が出ているから、営業はしているはずだし、後はお店に向かうだけだ!!)
俺は場所を見付けられたことから、“ウキウキ”気分で真優美さんのお店に近付くが……何だか違和感を感じる?
(看板が出ているから……今日は営業日なんだよね?)
俺は真優美さんのお店(喫茶店)に近付くが、店内にお客さんが居る感じはしない?
しかし、店内の照明は付いているから、店内に真優美さんやスタッフは居ると思うが……
俺は思わずスマートフォンを取りだして時刻確認をするが、時刻は13時47分とディスプレイに表示される。
まさかと思うが……喫茶店のお昼休憩に入ってしまった?
(……あっ!?)
(何てこった!!)
俺は喫茶店のドアに近付いた時。
心の中で喚いてしまう!!
『15時まで休憩です♪』
『喫茶
喫茶店出入り口ドアのドアノブに、そう書かれた看板がぶら下がっていた!!
伊藤さんたちとこの前訪れた時、真優美さん一人で切り盛りしている感じで有ったから、当然と言われればそれまでだが……
(うぁ~~~。超タイミング悪いな!///(汗))
(場所も見つけられたのに、休憩に入ってしまったか!///)
(……どうしよう)
俺は店の前で、どうするべきかと考える……
このまま諦めて立ち去るか、それとも真優美さんやスタッフが休憩中の中を無理して入って行くか……
(15時にはお店を再開させるようだから、それまで何処かで時間を潰すのも一つの手で有るが、今日は小鞠ちゃんが三國家へ遊びに来ている…)
(5分や10分で終わる相談内容なら、15時まで待っても良いが、真優美さんの性格上、色々なことを前回のように聞いて来るだろう……)
(それに帰りも、30分以上時間が掛かる)
(15時から真優美さんに相談を始めると夢中に成りすぎて……また、虹心から怒りの電話が来るかも知れない!?)
前回、真優美さんと出会った時から、かなりの時間が経過しているし、その間に色々な出来事が起きてしまっている。
伊藤さんが、俺に関する事を真優美さんに報告していれば、また別で有るが伊藤さんの性格上、ペラペラ喋る性格では無い。
今日の場合は試験期間中で有るし、小鞠ちゃんも三國家に来ている。
母親や虹心から文句を言われない帰宅時間は、18時頃が目安に成って来るが、15時から相談を始めると、18時までに自宅へ到着するのは難しいだろう。
(此処まで来たが……後日、改めてくるか…)
(真優美さん休憩の邪魔をしては行けないし、俺も来店すること知らせてはいない)
俺はこの前、真優美さんに送って貰った時。真優美さんと連絡交換をしておくべきだったと感じた。
そうしておけば、こんな風には成らなかった……
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