第112話 複雑な気持ち!

「俺も、伊藤さんが気になります!」

「伊藤さんが嫌で無ければ、俺も伊藤さんと、親友の関係を深めたいです!!」


 俺は、真剣な表情をして伊藤さんに言う。

 殆ど、告白のような物だが、俺は伊藤さんに好意を完全持ってしまった。


「……親友の関係か!」

「三國君、結構言葉上手なんだね!!」

「親友としてなら、私も関係を深めたいわ。あくまで親友としてね!」


 伊藤さんは、不敵な笑みをこぼしながら言う!?

 けど、これで良いのだろうか?


 しかし、伊藤さんは真剣な表情に変わり、少し強気の口調で言い始めた!


「だけど、三國君。一つだけ条件を付けさせて!」

「私と関係を持っている間は、彩織との関係は一切捨てて!!」


「!」


「今の彩織は……三國君や私が話し掛けて来なくても、彩織の都合が悪く成ったら、私たちに頼って来る筈だわ!」

「その時でも、彩織とは関わらないで!!」

「彩織と関わる時は、私と三國君が一緒の状態で関わる。出来そう…?」


 最後の文末は、うかがう表情で言う伊藤さん。


(二村さんの目には、俺と伊藤さんが付き合っている様に見せ掛けるのか?)

(そんな事、しなくても良いのに…)

(頭の良い人間は、意外に回りくどい事を平気で言うからな!)


「……それが、伊藤さんと関係を深める条件でしたら飲みます」


「!」


 俺は渋々の表情で伊藤さんに言うと、伊藤さんは少し驚いた表情をした後、澄ました表情で言い始める。


「……三國君。私のこと、本当は好きでしょう?」

「さっきまで彩織が好きだった人が、私の言葉に一切反論せずに、無条件で受け入れる人何ていないわ!」


「……」


 俺は何故か、それを素直にうなずいたり、返事が出来なかった。

 図星と言われればそれまでだが、二村さんを完全に諦めた訳でも無いからだ。


 けど、伊藤さんは穏やかな表情で、俺に話し掛けてきた。


「……そう!」

「じゃあ早速、電話のメールアドレスと一応、RailのID交換をしましょうか?」


「私は基本、Railは使わないから、メールアドレスでの連絡が中心になるわ!」

「Railだと送信ミスをする恐れも有るし、タイムラインから探られる事も有る!!」


(本当は、凄く嬉しい出来事が起きているのに、何故か素直に喜べない…?)


(伊藤さん……)

(このご時世にキャリアメールか…。本当、色々変わっている人だな!)

(でも、文句は言えないか。学年一の美少女と正式な関係が作れるのだから…)


「はい。そうしましょう!」


 俺は作り笑顔で伊藤さんに言って、電話メールアドレスキャリアメールとRailのID交換をする。

 学年内でも、男性で伊藤さんの連絡先を知っている人は、特進コースを除けば俺以外に居ない筈だ。問題なく交換を終えると……


「三國君!」

「しばらくの間はお互い、彩織の行動を注視しましょう!」

「そして……変化が起き始めたら、また此処とかで相談しましょう!」


 伊藤さんは澄ました表情だが、口調には張りが有った。

 伊藤さんが俺と関係を持ったのはあくまで、二村さんの行動を監視するために関係を持ったのだろうか……

 俺の心は嬉しい様な、寂しい様な感情で有った。


 ……


「今日はこれで、終わりにするけど良いよね。三國君…?」


 二村さんに関する話しも終わりを迎えて、伊藤さんは穏やかな表情で言う。

 伊藤さんの中では、話しは終わりで有るが……俺はこのまま終わるのはもったいないと感じる。


(折角……親友に成れたのだから、伊藤さんと親友らしい事をしたいな…)

(放課後デートをしたり、―――)


 俺は心の中で、そう思っていると、伊藤さんはジト目表情に成って、俺に言ってくる!。


「三國君……。願望が顔に出ているよ…」

「……本当に、私の事が好きなんだ…!」


「!?///」


 俺の願望が、顔に出ていたらしい……

 ポーカーフェイスは、俺には出来ない様で有った!///

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