第95話 俺の家には般若が居る!? その2

「本当に遅く成ってしまった……ゴメン、虹心(大汗)」


「理由は……」


 俺は感情込めて、手を合わせながら虹心に謝るが……虹心は低い口調で言う。

 睨み付けた冷めた表情で、更に上から目線で虹心は言ってくる!?

 思いっきり母親と、ダブって見えてしまう!?


「理由は……二村さんたちと会話をしていた…」


「…!」

「……こんな、時間まで…?」


 二村さんの言葉を聞いて、虹心はやや態度を軟化させるが、表情は険しいままだ。


「そう…」


「今……何時か知って居る。兄ちゃん…?」


 虹心は低い口調で、尋ねるように聞いてくる。


「……20時を過ぎた時間です」


 俺は申し訳ない表情で、呟くように言うと、虹心はワザとらしい表情と口調で言い始める!?


「高等部の下校時間って、そんなに遅くても平気なんだ~~!」

「私は知らなかったな~~!?」


「仲良く成ったから、早速空き教室で、二村さんと性行為でもしていたのかな~?」

「兄ちゃんの“ぞうさん”は、白いお水をたくさん出せたのかな~~?」


 冗談抜きで、虹心は怒っているのだろう。

 普段の虹心なら、絶対に言わない言葉を口にする。

 俺は慌てた表情で虹心に言う!///


「そっ、そんな事してないよ。虹心///」

「ちょっと……放課後。喫茶店に立ち寄っていただけだよ(汗)」


「……(怒)」


 俺を見下す眼差しで、虹心は無言で見つめていた。

 俺は誠意を込めて、虹心に謝罪を始める!


「虹心!」

「詳しいことは晩ご飯時に話すから、俺を家に入れてくれ!」

「今晩は課題も有るし、庭で野宿だけは勘弁してくれ!///」


「兄ちゃん……本当に、二村さんと性的行為はしていないんだね!」


 冷めた表情と冷静な口調で、虹心は聞いてくる。

 俺はそれを、全肯定する口調で言う!


「してない、してない!///(汗)」

「俺に、そんな度胸が有る訳無いだろ!(大汗)」


「兄ちゃんに度胸が無くても、二村さんに有るかも知れないからね…」

「ふぅ~~」


「無事に帰って来たし……やましい事をしていないなら、家に入れて上げるか……」

「ペットみたいに鳴かれても近所迷惑だし、生ごみをあさられても困るからね…」


 虹心はため息を吐いた後は『やれやれ』の表情で言い終えると、やっとチェーンロックを解除する。

 最後の言葉は聞き捨てならないが、此処は耐えるしか無い!?

 これで俺はやっと……家に入れる。


「改めて、ただいま。虹心!」


 俺は微笑みながら言うが、虹心は当然、不機嫌表情で言う。


「……兄ちゃん。今日の出来事。1から10まで全部、晩ご飯時に話して貰うよ!」

「今晩は二人きりだし、覚悟していてね!!」

「兄ちゃんが着替えている間に、豚汁とか温め直すから、早く着替えてきて!」


 虹心は『お帰り』とは言ってくれず、嫌みだけを言って、台所に向かって行った!

 俺の身も心配していた筈だが、虹心の中でも、俺と二村さんの関係を深めさせたくは無いのだろう……


(今晩が、母さんや兄(航平)が居る日だったら、こんな風に成らなかったのに…)

(タイミングが悪すぎる日だ!)


(今日得た収穫は、伊藤さんと真優美さん!)

(二人共、二村さんを上回るスペックだが、本来の収穫とは違う…。玄関で考え事をしているとまた、虹心に文句を言われそうだな……)


 俺は制服から着替えるために自室に向かい、普段着に着替えて、虹心が居る台所に向かった……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る