第92話 真優美の厚意 その2

「陽葵の手前……お客さんを送るとは言えないからね。その辺は察してね!」


 真優美さんは、悪戯っぽい笑顔で言う!///

 やばい……本当に好きに成りそう!?///

 俺はさっきの『陽葵』が気に成ったので、真優美さんに穏やかな表情で質問する。


「真優美さん!」

「陽葵ちゃんは……真優美さんの娘ですか?」


「えっ!?」


 何故か驚く、真優美さん!?

 どうして、驚くのだろうか??

 真優美さんは、何かを隠す表情で言い始める。


「あぁ~~~」

「……まぁ、娘見たいなもんね!」


「?」


(娘みたいな者?)

(何だそりゃあ??)


「……その事はまた今度、時間が有る時に教えて上げるわ♪」

「今日は、三國君の事を教えて♪」


 真優美さんは笑顔で言う。上手にはぐらかされてしまった。

 俺は真優美さんの運転する車で、俺の家まで送って貰う。


 ……


 俺は今、真優美さんが運転する車に乗っている。

 勿論と言う言葉も変だが、助手席に俺は座って居る。


 車に備わっているカーナビに、俺の家住所入力がして有るので、カーナビ通りで行けば俺の家に着くが、家に横付けされると虹心が喚きそうだから、その手前で降ろして貰う。

 脇道から、幹線道路に出て走り始めると、真優美さんは運転に余裕が出て来たのか、先ほど会話の質問をしてくる。


「三國君!」

「今までの話しを聞く限り……三國君は、彩織ちゃんが一応好きだけど、亜紀ちゃんや小鞠ちゃんだっけ……後、私にも興味が有るんだよね?♪」


 真優美さんは陽気な口調で質問する。

 俺はそれを穏やかな表情で答える。


「はい。その通りです…」

「小鞠ちゃんは展開上で、話した方が良いと思い話しましたが、実際は親友の延長線です!」


「そうなの…?」

「私の中では三國君が、小鞠ちゃんをキープしている感じにも取れるけど……」


 真優美さんは疑問に感じた口調で言う。

 今の時間帯は完全に夜で有り、時々有る道路照明だけでは、真優美さんの表情はうかがえない。

 俺は別に、小鞠ちゃんをキープはしていない。


「そんなことは無いです!」

「俺が一番好きな人は……二村さんです!」


 俺は真優美さんに“はっきり”した口調で言うが、真優美さんは疑問を抱いた口調で言葉を続ける。


「だけど……三國君と亜紀ちゃんが、彩織ちゃんの相談目的を利用して、急接近したから不満が怒りに変化した!」

「……私が以前『彩織ちゃんに気に成る人は居るの?』と聞いた時『真優美さん! クラス内に、気に成る人が実は居るんです❤』程度だったから、軽く聞き流していたけど……それが三國君だった」


 真優美さんの運転する車は、ドンドン俺の家に近付いて行く。

 時間で言うと、ここから10分も掛からないだろう。

 真優美さんは選択を迫る口調で言う。


「それで、三國君はどうするの?」

「彩織ちゃんに謝ると言うのも変だけど、謝って許して貰うか、それとも私はお似合いだと思う…、亜紀ちゃんとの関係を深めるか……」


(伊藤さんに乗り換えても問題が無ければそうしたいが、今ここで伊藤さんに好意を求めても、伊藤さんは拒否を絶対するだろう…)

(伊藤さんの中でも、好きな人が居るのだから……)


「!!」


(そうだ!)

(真優美さんなら、伊藤さんの好きな人が判るかも知れない!!)


「俺としては……二村さんと関係を深めたいですが…。真優美さん!」

「真優美さんは、伊藤さんが好きな人を知って居ますか?」


「伊藤さんも気に成る人は居る様ですが、自ら声を掛けるのは恥ずかしいと、言ってました……」


「えっ…!?」

「うーん……」


 真優美さんは驚いた声を上げた後。急に唸り始めた!

 この感じだと真優美さんは、伊藤さんが好きな人を知っていそうだな!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る