第30話 第二の妹 小鞠

 話し合いの結果と言うべきか、俺は虹心と小鞠ちゃんの気持ちが理解出来たため、妹の虹心は今まで通りだが、新たに小鞠ちゃんという妹が誕生した!


「武蔵さん…」

「私も今から、兄さんと呼んで良いですか…?///」


 小鞠ちゃんは頬を染めて、微笑みながら言う。


「えっ///」

「小鞠ちゃんは、俺のことをそう呼びたいの!!」


 俺は驚きながら言う!

 小鞠ちゃんは本当に、兄を求めているからだ!!


「はい…」

「私はお兄さんに憧れていましたので、武蔵さんや、虹心ちゃんの兄さんでは無く、“兄さん”と呼びたいです!!///」


 小鞠ちゃんは、嬉し恥ずかしそうに言う。

 俺的には嬉しいが……


「……俺は別に構わないけど、その言葉を母さんや兄が聞いたら仰天すると思うよ!」

「食事時に小鞠ちゃんが『兄さん。醤油取ってください!』とか言ったら、二人共、目を本当に丸くすると思うよ…」


「武蔵さん…。その部分は大丈夫です。TPO(※)をわきまえています!」


(※)時や場所や場合によって、服装や言葉遣いなどの使い分け


「…難しい言葉知っているね。なら、良いよ!」

「小鞠ちゃん!!」


 小鞠ちゃんが言っている事は、本気だと俺は感じたため、小鞠ちゃんの要望を受け入れる。


「ありがとうございます!」

「兄さん!❤」


「!//////」


 小鞠ちゃんは、弾ける笑顔で俺に言ってくれる!!

 俺はその笑顔で、胸が思いっきり弾む!!


(う~んやっぱり、小鞠ちゃんの笑顔は良いな!!)

(虹心の笑顔も良いけど、小鞠ちゃんの笑顔の方が俺好みだ!!)


「…兄ちゃんがまた、デレデレしている!!」

「こんなに可愛い妹が…、目の前に居るのに!!」


 虹心は、俺を“ジト目”で見ながら嫌みを言っている。


「まぁ、まぁ。虹心ちゃんも落ち着いて!///」

「兄さんも、新しい妹が出来たのだから嬉しいのですよ!!///」


 虹心の姿を見て、虹心をなだめる小鞠ちゃん。

 意外に相性良いのか、この二人?


「兄ちゃんの場合は……妹では無く、女の子として、小鞠ちゃんを見ているけどね!!」


 虹心は強めの口調で、小鞠ちゃんに悪意の有る言葉を言う!!


「そっ、それは困ります~~~(汗)」

「兄さんとの関係発展は、まだ考えていません~~!//////」


 小鞠ちゃんは頬を染めて、焦った表情と口調で言う。


(この子は直ぐ、顔に出る子だな)

(判りやすいから便利だけど、少し虹心見たいに度胸を付けさせるべきか??)


 ☆


 話し合いも無事に終わり(?)、その後は三人でお茶を飲みながらの談笑に変わる。

 談笑と言っても、学園や生活面の談笑が中心で有る。


 ……


 談笑を始めて、有る程度の時間が経過したところ……

 虹心が突然、俺の恥ずかしい過去を小鞠ちゃんに話し始める!?


 そう、俺が学年女子たちに、声掛けをしていた話しだ!//////

 俺は止めさせようとしたが『小鞠ちゃんも妹だから情報共有!』と、強く虹心に言われてしまう。

 小鞠ちゃんの耳に、俺の恥ずかしい過去が入っていく……


「―――」

「それでね、先輩に言われたのよ。―――」


 虹心が中山先輩から言われたことを、小鞠ちゃんに話している。

 小鞠ちゃんも妹だからと言って、恥ずかしい部分まで共有しなくても良い!///


「うぁ!///」

「兄さん…。そんなにモテないのですか!!///」

「……何が行けないのでしょうか?///」


 小鞠ちゃんは頬を染めながら、驚いた口調で言っている。

 だが虹心は、俺を小馬鹿にした表情と口調で言い始める。


「そんなの見ての通りだよ! 小鞠ちゃん!!」

「前にも話したけど、優しいだけが取り柄! 後は何も無い!!」


「こんなの好きに成る人なんて、私ぐらいだよ♪」

「けど、それも兄ちゃんとして!」


 虹心と仲良く成っても、この辺りの変化は無かった。

 この妹は俺に対して、昔から口は悪い……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る