原始の世界
日本語破綻者
第1話異世界転生はまだ始まらない。
「うむ」
俺は密林で届いたばかりのワイヤレスキーボード(光る)を使い小説を書いていた。だが、小説というのは本人が書いていると言えばそうなるものなので、例えば『あ、い、う、え、お』と書いて本人が小説を書いていると言えばそれが既成事実として認められてしまう。それは本人しかわからないのだから。だから俺が書いているのは文字を羅列しているだけの思い浮かんだままを連打しているある意味、ゲーム練習ともとれるのだけれど、それでもそれを俺は小説と呼んだ。実際客観的にはどう評価されているのかは分からないが。
そして、文字をハイテンションの気分で打っていた。それはなぜかというと、朝からコーヒーを4杯以上飲んでカフェインによる覚醒でテンションがあげあげだったからである。そして明日は休みではないという気持ちが憎しみが、さらに拍車をかけたとも言えなくもない。そんなある日の、世界のどこの国でもありそうな一般人の日常を過ごしていた俺の世界の駒の、歯車の一つである、俺のいや歯車でさえないかもしれない、駒でさえないかもしれない。ただ息をする。二酸化炭素を吐き出すだけの存在かもしれない。いやそれは違う、様々な人と出会って交流し学んだこともあるし俺が相手に影響を与えたことも少なからずあるだろう。自分の負のネガティブ感情を掻き消しポジティブにして意気揚々とした気分で相も変わらずハイテンションの気分で小説を書いていた時、俺は死んだ。自宅出産だったので、生まれたこの家で、同じ二階のこの部屋の同じ場所で俺は死んだのだった。
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