第245話 謎の白い大理石の部屋

 裕太がドアのすき間から、のぞき込む。

そこには、真っ白な世界が広がっていた。

白い大理石の床

白い洗面台

キラキラと光を放つ、でっかい鏡。

もっとよく見よう…と、足を踏み入れるのも、ためらわれる。

(滑りそうだなあ)

これがジュンペイならば、スーイスーイと、スケートの真似を

して、遊ぶだろうな!

 さらに奥には、扉がある。

おそらくは、そこがトイレにつながっているのか?

チラリとのぞき込むだけでも、十分に豪華な内装が見える。

(巨人って、金持ちなのか?すごいなぁ~)

でも、ここには…ジュンペイが探しているようなものは、

なさそうだ。

(チラッと見たら、それでいいかぁ)

そう思っていると…

目の端に、何かがキラリと光るのが見えた。


「なんだぁ?」

 さしものジュンペイでなくても、思わず目を留める。

(やっぱり、見てみるかぁ)

それにしても、光っているものの正体は、なんだ?

キョロキョロしながらも、目で探す。

鏡台の辺りで、光っていたような気がする。

(鏡の反射かなぁ?)

だが…ここからでは、よくわからない。

離れた所から、目視するだけで、スルーしたかったのだが…

見付けてしまったからには、そういうわけにもいかない。

 ドアのすき間から、ゆっくりと慎重に入って行く。

ヒンヤリとした床の固さが、裕太の足にも伝わってきた。

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