第243話 まるで、テーマパーク?

 するとジュンペイは

「それは、そうだけどさ」と言うと

「でも、常識的に考えて…

 そんな何日もってワケはないから、早いとこ見て回らないと、

 置いてきぼりになるかもしれないなぁ」

やけにハッキリと、脅かすように言う。

「そうだな」

裕太が返事をする間もなく、いきなりジュンペイはダッシュで

飛び出す。

「あっ、おい、ちょっと!」

ドタドタと走っても、中々行き着かない。


 この廊下…一体、どこまで続いているのだろう?

全速力で走ったとして、端まで行き着くのに、何分かかるのだろう。

ジュンペイの後ろ姿を目で追う裕太に、ジュンペイはいきなり

クルリと振り返る。

「だから!

 適当に、これだと思う所を、見て回ろうぜ!

 鍵がかかってるのかもしれないし」

元気よく、大きな声を張り上げて言うと、裕太もつられて

「うん」とうなづく。

「ねぇ、どう回る?」

「そうだなぁ」

 目が薄暗さに慣れてくると、廊下の両端にも部屋が並んでいるのが

わかる。

「どれも、似たりよったりだなぁ」

「せめて、部屋に名前とか、書いてあればいいんだけどなぁ」

ジュンペイが悔しそうに言う。

「まさか教室でもあるまいし…そんなこと、するわけがないだろ?」


 それにしても、大きな家だ。

ドアだって、かなりのビッグサイズだ。

これを開けるのだって、一苦労だろう。

(開いていたら、簡単なのになぁ。自動ドアとかさぁ)

まるでユニバーサルスタジオのあのお城みたいだなぁ。

入場料を取るとか?

これで、肖像画とかがズラリと並んでいたら、間違いなくホラーハウス

だけどな!

そう思いつつも、こちらはとぼとぼと歩いた。

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