第33話 迫りくる謎の男?

「お待たせしました」

 ようやくボディーガードが、電話を終えて戻って来た。

「泊めてもらえるようです」

「あ~よかった!」

ジュンペイは、大きく伸びをする。

「お腹が空いたもんなぁ~

 何か食べるもの、ある?」

急に空腹を覚える。

「何かあるんじゃあないですかぁ?」

腹へった

腹へったと、ジュンペイが節をつけて、連呼し始めた。

「ねぇ、ボディーガードさんも、泊まるの?」

そういえば…この人は、どこまでついて来るのだろう?

裕太は気になった。


 すっかり修学旅行気分だ。

そういえば…夏休みに引っ越ししたから、旅行していないのだ。

「いいねぇ、こういうの!」

テレビ、何かあるかなぁ?

そんな2人を、ボディーガードがニコニコしながら、見守っている。

 そんな彼らの姿を、木の陰から見ている者がある。

細心の注意を払って、気配を消しているので、普通にしていたら

気付かないはずだ。

実は鳥を追いかけていた時から、つけていたのだが…

彼らはまだ、気付いてはいない。

うろんな目をして、ただ見ているだけなのだが…

堅気の人間には、見えなかった。


「さぁ、行きましょうか?」

 にこやかな笑顔で、ミスターは子供たちに声をかける。

「のんきなものだな」

その謎の男が、そうつぶやくと…サッと身をひるがえした。


「あっ」

 トオの受け付けで、タロットを操るサキア…

手にしたカードを目にして、眉間にシワを寄せる。

「何か…悪いことが、起きなければいいけど…」

それにしても、不吉だ。

ミスター1人で、大丈夫だろうか?

やはり自分も、ついていた方が、よかったのだろうか?

サキアは、顔を上げた。

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